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チャーミングに異化する

Relight Committee 第4回(テーマ
「観光」)。

今回のRCは、3月11日に向けて実行する具体的なアクションについて、各メンバーにぐっと意識を向けさせる内容になっていた。
午後の時間、「生きるってめんどくさい」というアクションを実行中のOG関さんの話を聞く中で、妙に心に引っかかる言葉があった。

「宮島さんが『あなたの作品はとてもチャーミングだ。アートとは本来チャーミングなものなんです。』と言ってくださったのがとても嬉しかった」(関さんのお話より)

アートとはチャーミングなもの。そういえば確かにそうだ。心惹かれるのは、思わず魅了されてしまうような茶目っ気のある作品。真剣で、それでいてそこはかとないユーモアを湛えている、そんな作品であるような気がする(ユーモアと言ってしまうとちょっと語弊があるかもしれないけれど)。

実際、RCに参加してから林さん・菊池さんをはじめとするInVisibleの方々、OG・OB、同期メンバーの活動を見たり聞いたり、話したりする中で、「チャーミングなもの」「チャーミングな瞬間」に触れる機会がぐんと増えた。普段最も多くの時間を費やしている仕事の場では、これほどの「チャーミング」に出会うことはない。安全な公共空間を維持するという仕事の性質上、普段接することが多いのは「実直さ」「誠実さ」「安心感」といった「チャーミング」とは異なる性質のものだ。

アートと公共空間は性格が全然違う恋人同士みたいだ、と最近よく思う。目立たないけれどいつもそこにいて変わらぬ日常を提供する公共空間と、チャーミングな非日常をもたらすアート。私がRCに参加したのも、この性格の違う者同士が出会って生み出す化学反応を自分で起こしてみたいと思ったからだ。
だが、ここにきて一つの大きな課題に直面している。それは、私の本質にあるのは「アート」的な性質ではなく、「公共空間」的な性質なのではないだろうか、というものだ。「公共空間」的な自分がアートという手段を使ってアクションを起こすとしたら、いったいそれはどのような形になるのだろう?自分の本質とチャーミングな表現が一致することはあるのだろうか?

ところで、この日の午前中は街に出て「日常」の中で「非日常」を体験する(=観光)という、RCに参加した動機に直結する面白いプログラムが組まれていた。1人ずつ異なるインストラクションが与えられ、私に与えられたのは「ホテルの受付にいるコンシェルジュに助けを求めなさい」というものだった。湯島のラブホテルに次々と入って、受付の年配女性にトイレを借してくださいと頼む「非日常」体験、同時にありふれた「日常」をラブホ内に一瞬だけもたらしてしまう体験は、それはそれで面白かったのだが、それ以上に面白かったのがペアを組んだまっちゃんのアクションの動画撮影だ。「できるだけたくさんの人とセルフィーを撮る」という、今回のインストラクションの中で最難関とも思える指令を果敢に実行するまっちゃん。その状況をありのままに撮影し、他のメンバーに見てもらえたことに妙な満足感を覚えた。おそらく、私は本質的にパフォーマーではないのだろう。どちらかというと、実演することよりも、実演されていることを伝えることにやりがいを感じる。
また、今回の実験はインストラクションを実行する人、それを見て撮影する人、さらにそれを見守り撮影する人(石川さんと丸尾さん)という三重構造になっていた点がとても興味深かった。距離の取り方で見えてくるものは少しずつ違ってくるし、まっちゃんの撮影したセルフィー、私の撮影した動画、丸尾さんが撮影した写真、という、3つの異なる距離・視点からの記録が残る。このような異なる距離、視点からの表現も、表現方法の一つとして記憶しておきたいと思った。

関さんの「生きるってめんどくさい」、さらに恭代さんの「心の声 祈り ここから新たに」についての話もお聞きして、チャーミングに場を異化する、そんなアクションの輪郭は見えてきた。RCが始まってから、こんなことをしてみたい、あんなことをしてみたいなどとりとめもなく思い浮かべたりしていたけれど、それらはどれもあまりチャーミングではなかったな、アートとは言えないものだったかな、と感じている。
また、非日常を体験するインストラクションを実行してみて、自分がどんな方法で知らない人とコミュニケーションをとろうとするのか、関係性を築く方法として心から楽しめることは何なのかなど少しずつ見えてきたこともある。自分のアクションとして、何を、どのように実行するのか。次回のRCでより具体的なプロジェクトの話を聞いて、さらに考えを深めていきたい。

(追記)
この日は、充実したプログラムを満喫した1日だったと同時に、時間に追われて大小たくさんのヘマを犯した1日でもありました。せっかくなので記録しておきます。

・ラブホのトイレに傘を置き忘れる
・動画撮影中、モバイル充電器を使う間も無く携帯が電池切れ(携帯は石川さんにお借りしました。ありがとうございました)
・東京みやげを探している最中、アキバの画廊の呼び込みのお姉さんに捕まり、お姉さんによる絵の説明を延々と聞いた挙句、道に迷って午後のプログラム開始時間に遅れる
・東京みやげの領収書をもらい忘れる
・東京みやげの料金を58円オーバーする
・お昼の時間に間に合わず、買ったハン
バーガーを食べる時間がなく、休み時間に少しずつかじって、家に帰ってから残りをレンジで温めて食べる
・ハンバーガーのソースをその日着ていた赤いスカートの上にこぼす。家に帰って染み抜きする
・江口さんにお借りした本をお返しするとき、急ぎ取り出した本の帯が相当ずれて斜めに乱れていて、さらに角部分も乱れた状態になっていた(江口さんは、手早くそれらを直していた)
・帰り道、まさみさんと話しながら乗った小田急線が「特急」で降車駅に止まらず、かなり先の新百合ヶ丘駅まで行ってしまった(注:私は普段から小田急ユーザー)

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坂田 由美

Relight Committee 2017に参加しています。講座を通じて感じたことを書いていきます。2017年12月16日、乳がんの告知を受けました。
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