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令和5年杉並区議会議員選挙を振り返って

皆様、こんにちは。こんばんは。
杉並区議会議員の小林ゆみです。

4月23日投票日、4月24日開票日の杉並区議会議員選挙において、私、小林ゆみは4,580票を頂き、立候補した69人のうち9位で当選し、再度議席を頂くことができました。
私にご期待いただいた皆様の一票一票を無駄にすることなく働いてまいりますので、これからも小林ゆみを宜しくお願いいたします。

本日4月30日は、私にとって杉並区議会議員「2期目」の最終日となります。
明日5月1日からは「3期目」のスタートであり、初当選の時から数えて杉並区議会議員9年目です。
「中堅議員」と言われる期数となり、今までとは少し見られ方が変わるため、より気を引き締めて区議としての仕事をしていかねばなりません。

今回の選挙は、私にとって大きな挑戦でした。というのも、選挙のための準備期間がほぼ無かったからです。

一般的に、地方議会議員選挙に出馬する決意をした人は、投票日の半年前には準備を始めます。選挙期間前の選挙活動は公職選挙法で禁止されているため、政治活動のみが可能となります。
政治活動というのは、「朝・夕の駅での挨拶、演説」「政治(× 選挙)活動報告のビラ配り」「区政報告会」などです。
当然、今回私と共に杉並区議会議員選挙を戦った方々は、これらの活動を昨年11月辺りから行っておりました。

しかしながら、皆が選挙のために動き出した昨年の11月、私は出産をしておりました。
令和2年12月の長男に続き、次男を出産し、2人の乳幼児の世話に明け暮れながら年を越し、年が明けたらすぐに令和5年杉並区議会定例会・予算特別委員会の準備をしなければなりませんでした。

乳幼児2人を育てながら議会に出席し、質問のための調査研究を行いながら質問を作り、議会中複数回登壇し、「令和5年度杉並区予算案に対する意見開陳」も行いました。
その時の原稿はnoteの記事にしてありますので、リンクを貼っておきます。

https://note.com/yumi_suginami/n/n9cbe0eb0d2c1

以上の意見開陳が終わったのが3月中旬。3月末が締め切りの年度末の事務が複数あり、「今から区議会議員選挙に出る準備をしても、当選は無理だろうなぁ…。」と、夜間の授乳をしながらぼんやりと考えておりました。

4月になり、千代田区議選候補予定者であった白川司さん(その後、見事初当選を果たしました!!)の応援演説に、光栄にも呼んでいただきました。
長男をベビーカーで千代田区まで連れて行き、駅頭で私は「全国の地方議会において、保守派の議員が少なくなっております。左派勢力が強い議会では、同性パートナーシップ条例や、夫婦別姓推進の陳情など、リベラル色の強い条例や陳情が通りやすく、サイレントマジョリティーの声が区政、市政に届きづらくなっています。今こそ白川司さんのような、保守の論客が地方議会に必要なのです」と道行く方々に向かって語りかけました。

白川司さん、長男と、千代田区にて。

演説をしながら、ふと「杉並区は、このままで良いのか?」と感じてしまいました。

杉並区は、千代田区よりも革新系がかなり強い。
昨年夏に杉並区長選挙が行われ、新しく誕生した岸本聡子杉並区長は、気候変動問題・ジェンダー平等・子供の権利・道路拡幅反対など、リベラル色の強い政策を打ち出して当選し、先の令和5年杉並区第1回定例会においても「(いわゆる)性の多様性条例」を上程し、リベラル勢力の強い杉並区議会はそれを通してしまいました。

この条例は、
「性を理由とした差別はしてはならない。何が性を理由とした差別であるかは、杉並区長が決める。」
「私は男だ/女だという性自認については、医師の診断や証明書などは必要ない。自己申告制とする。」
という、よく考えると、いや、よく考えなくてもまずい内容の条例です。
この条例に私は「反対」しましたが、推進派に言わせると、この条例に反対した議員は「差別主義者」、「ヘイター」らしい。
私は同性愛者の友人が幼い頃から周りにおり、現在も心から信頼し合って親しくしている友人が5人いますが、それでも「同性愛差別主義者」らしい。

千代田区で演説をしながら、
「杉並区の更なる左傾化を止める責任が、私にもあるのではないか?」
と思い始めましたが、選挙に出る決意をするには遅過ぎるかもしれない…と悶々としていたところ、私と同じ会派の先輩である、藤本なおや杉並区議会議員がよく言っていた言葉を思い出しました。

藤本なおや議員と。

「選挙っていうのはな、始まる前にもう終わっているんだよ。現職の議員であれば、4年間しっかり仕事をしていれば、有権者はちゃんと見ていてくれる。選挙期間の1週間だけ頑張ってもダメなんだよ。」

藤本議員の仰る通りだと思います。
有権者の方に、その方の貴重な一票を投じて良いか正確にジャッジしてもらうためには、1週間という期間はあまりにも短すぎます。
そのため、この4年間の働きぶりを見ていただき、票を投じていただくのだという言葉を反芻し、改めて納得しました。

この4年間、私は杉並区議会における議会活動(登壇して質問する・意見の開陳を行うなど)の他に、『小林ゆみの深ゆみ!(昨年で終了)』・『デイリーWiLL』などのインターネット番組出演、独自の講演会開催、政治雑誌への寄稿など、様々な形で発信を続けてきました。
それは、杉並区のみならず全国の方々に向けて、今、地方議会で起こっていることを、誰にでもわかりやすい言葉でお伝えしたかったからです。(予備校講師をしていたので、どんなに難しいことでも、噛み砕いてわかりやすくお伝えすることは得意分野です。)

これらの活動は選挙を意識したものではなく、「発信しなければ」という使命感に駆られた結果行っていたものですが、仮に選挙に出た場合、これらの活動を見ていてくださった方々が応援してくださるかもしれない…と考え始めました。

この時既に、選挙戦スタートの4月16日の10日前。決めるなら早く決めなければ!

「ようし、出るぞ!」
と決めてからは、嵐のような日々が過ぎ去っていきました。

ポスターのデザインをし、チラシのデザインをし(しかも手描きイラスト)、選挙公報のデザインをし(こちらも手描きイラスト)…。

「よし、なんとか間に合いそうだ!」
と思ったその瞬間、一本の電話が。
「お手伝いできると思っていたんだけど、できなくなっちゃった。ごめんなさいね。」
電話の主は、選挙戦初日の16日にポスター貼りを複数人で行ってくださると仰っていたグループの方。
普段、トラブルが起こってもあまり気にしない小林も、流石に目の前が真っ暗に…。
この時点で、選挙スタート2日前の4月14日。
大ピンチです。

そこで、現状を素直に話したうえで改めてボランティアスタッフの方を募集したところ、数多くのボランティアスタッフさんがお問い合わせくださいました。

杉並区民の方も大勢いらっしゃいましたが、全体の約半数は杉並区外の方でした。
私はここで、
「この4年間、全国に向けて議会の情報を発信し続けていたけれど、こんな形で助けてくださるなんて!」
と感激しました。
ボランティアに来てくださった杉並区の方も、杉並区外の方も、感謝しきれないくらい感謝しております。

政党無所属で固定のスタッフさんもいないため、結果的に、心優しい素敵なボランティアスタッフさん達と一緒に完成させた「手作り選挙」となりました。
急遽の出馬となったため事務所も無い、選挙カーも無い(元々選挙カーが苦手なので使うつもりはありませんでしたが)、常駐スタッフもいない、無い無い尽くしの選挙で、あるのは「小林ゆみ」と「ボランティアスタッフさん」と「マイク」のみ。
旗も自分の背中に挿したり、自分で手に持って演説しました。

演説の内容は多岐に渡りましたが、その中で私が強調していたのが「防犯・防災」です。

この4年間で私の中で大きく変わったことと言えば、子供が2人生まれたことです。
それに伴い、社会の見え方もガラッと変わりました。

残念なことですが、日々、悲しいニュースが飛び込んできます。
最近のものだけ挙げても、女性が元交際相手に刺されて殺害されてしまった。子供がキックボードで遊んでいたが、川に落ちて亡くなってしまった。ほぼ同じ場所で、お花見中に行方不明になった子供が亡くなってしまった。連続強盗殺人事件で、ご年配の女性が死亡してしまった。

子供が生まれる前も、悲しいニュースに涙することはありましたが、子供を産むという「命を生み出す」経験をしてから、命の重みが以前よりもずっしりと重く感じられるようになり、理不尽に命を落とされた方々の無念さや悲しみが、よりリアルに感じられる気がいたします。

悲しいニュースを見る度に、「もう少し防犯カメラの設置台数が多ければ…」「防犯ブザーがあれば…」「自治体と警察で、もっと連携がとれていれば…」「川に落下防止の柵があれば…」など、どうすれば防げたのかを考えてしまいます。
勿論、行政の努力では防げないことも多いでしょうが、防ぐ可能性が1%でも上がるのであれば、住民の命と安全を守るために行政は投資すべきです。

私の演説の中では、「防犯・防災」、そして「予防医療・介護予防」にお金をかけるべきだとお話をしていましたが、「悲しいトラブルを未然に防ぐために行政は仕事をすべきだ」というメッセージを、子を持つ親の立場から伝えたつもりでした。
全ての命は、理不尽に奪われてはいけません。
それを防ぐために行政はしっかりと予算措置を講じるべきであり、「気候変動問題」「ジェンダー平等」「道路拡幅反対」よりもまずはこちらを優先すべきでは?と考えています。

これからも、この主張は変わらず続けてまいります。
投票用紙に「小林ゆみ」と書いてくださった4,580人の杉並区民の皆様方のために、そして全ての杉並区民の安心・安全な生活のために、3期目も汗をかいて働いてまいります。

令和5年4月30日
杉並区議会議員 小林ゆみ

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