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「見よう見マネ+考え抜くコト」の大切さ

もう15年以上前の話しになりますが
某大手企業のWebサービス立ち上げに参画
そこで初めてディレクター業をやらせてもらった経験を買われ
ダイレクトマーケティング業界では
草分け的な存在の外資系広告代理店に就職が決まりました。

当時の上司はアイルランド人だったんですが
なぜだかまったく業界経験のない私を
マネージャー=管理職として採用したんです。
部下は社歴の長い年上の女性でクライアントは米系IT企業。
話しを巻き戻すと
最初の会社が同業他社のIT企業だった事も
優位に働いたかも知れません。

という事で右も左も分からず
キャンペーンってなんですか?状態の中

「次年度のマーケティングプラン提案」

というお題がクライアントから降ってきました。
私はマネージャーなので
周りからは提案どうします?と聞かれ
どうもこうもさっぱりどうして良いか分からず
部下には呆れられ必要以上の事は会話も無し
社内で「なんであんな人採用したのか?」的な空気に晒されてました。

結局次年度提案はベテラン社員の男性の手に委ねられ
出来上がった資料に目を通し
この時初めて

「広告代理店が作成した提案書なるもの」

を見ることになります。

当時の提案書(クライアント名は伏せています)

外資のクライアントなので英語です。
そして「現状は表面的なアイスバーグ=氷山しか見えておらず〜」
的な課題について
いかにも外資らしくカッコよくツラツラと書かれておりました。

という感じで「ご提案」の洗礼を受け
その後急ピッチでキャッチアップに勤しんだのですが
といっても誰かが手取り足取り教えてくれるわけではなかったので
同僚を捕まえてはレクチャーを乞うという毎日でした。

そしてそうこうしているうちに
クライアントからサービスロンチのキャンペーンについて提案するように
という依頼がありました。

話は逸れますが
ここで少し補足しておきますと
外資系の代理店では

「営業=プランナー」

であるケースが多いのです。
営業としてクライアントのご用聞きをすると同時に
課題や目的に応じて全体のプランおよび戦略を策定し
クリエイティブや制作部隊などにレクチャーを実施する
という流れになります。

よって私は営業だったのでプランナーも兼ねなければならず
同時に提案における全体統括も担う必要があったのです。

とはいえ入社して
というか業界経験1年にも満たない私には重たすぎる責務でした。
でもやるしかないのです。

どうしようかと悩み
マーケティングの教科書を読んだところで
実践には役立たないと思ったため
ただひたすらにこれまで作ってきた
または同僚が作った提案書と睨めっこ

  • どういう構成=組み立てになっているのか?

  • 引用できそうな=マネできそうな事項はないか?

  • そもそもの提案目的は何か?

といったことを細かくチェックし
分析していきました。

でもそれだけでは足りません。

この道何十年という直属の上司に資料を見せると
赤ペンで修正事項が山のように記載されて戻ってきます。
しかしこのように修正しろ!という指示はまったくなくて

要点だけを完結に伝えられ
あとは頭をフル回転させて考え抜きました。

そして周りの社員が見ている中
大声で怒鳴られては修正するという日々が続きましたが
その甲斐あって
ようやくはじめての大きなキャンペーンの提案資料を
作り上げることができました。

結果的にクライアント都合で実施には至らなかったのですが
この時の提案内容は
その後提案書を組み立てる作業の指針となっています。

それから大分経って
それこそ私が退職した後元上司と飲む機会があって
なんであの時あそこまで熱く指導してくれたのか?
と聞いたことがあるのですが
その時の答えは
「なんかコイツならいい感じに育つんじゃないかと思ったんだよ」
ということでした。
正直その言葉は嬉しかったです。

でも外資系の代理店は3年くらいのサイクルで転職するケースが多く
結果的に彼の下で期待に応えることができたか?
というとそうではないかも知れませんが
間違いないのはこの時の教えがあったから
次に繋がっていったということです。

振り返るとこの業界に入って何人かの恩師がいるのですが
この時の上司もその1人です。
彼らがいなかったら今の私はいませんし
本当に感謝しています。

彼らから学んだことや提案書の書き方的なことは
別の記事で書いていこうと思いますが
ここで言いたいのは
タイトルにしている

「見よう見マネ+考え抜くコト」がいかに大切か

ということです。
「見よう見マネ」は
あらゆることにおいて「初めの一歩」です。
私も3歳からピアノを習い
10歳からチェロに転向しましたが
どちらも最初は先生の演奏の「見よう見マネ」からはじまってます。

おそらく私は楽器を練習することで
「見よう見マネ」からはじめて日々繰り返し鍛錬する
という行為に幼いころから慣れているので
マーケティングをOJTで学ぶことが
普通の人よりは楽だったかもしれませんが
この「見よう見マネ」もやろうとすると
意外と難しいのではないかと思っていて

入り口で見当違いな対象をマネると当然上手く行きませんし
いざマネようとすると
鋭い洞察力とポイントを抑えるコツを掴んで
実践する必要が出てきます。

これについても私がどうやって実践してきたか
ということを別記事で書こうと思いますが
さらにはプラスで「考え抜くコト」が必要になってきます。

言うなれば「見よう見マネ」はベーシックスキルの習得に必要で
さらに「考え抜くコト」によって
独自の視点や想像力が生まれていくのです。

さてこの記事はこのあたりまでとし
今後会社員時代に経験してきた+磨いてきたスキルに触れながら
マーケティングに留まらずあらゆる仕事において
またキャリアアップの上でもお役に立ちそうな記事を
概念的な側面から書いていきたいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。



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