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太った話

私は幼少期の頃からガリガリ体形で、父親からも骨皮筋子とからかわれるほどでした。

そのガリガリ体形は26歳まで続きました。18歳くらい~26歳までは体重が38キロしかありませんでした。ちなみに身長は155、6センチくらいです。

小学生の頃から食欲が無くて、お腹も一杯なのにご飯を食べきらないとテレビが見させてもらえなくて、泣きながら食べていた記憶があります。大好きなカトちゃんケンちゃんを見て爆笑する兄達の笑い声が居間から聞こえてくるのが本当に羨ましくて、食事どころではなかったのを覚えています。

うちの母は料理のセンスがあまりありません。栄養の事はとても考えているのですが、味の事や見た目には今いちこだわりがないようで食べれればいい、という考えです。そんな料理を私は喜んで食べる事が出来ず、母の料理であまり満足する事がありませんでした。スナック菓子やインスタントラーメン、炭酸ジュースも禁止されていました。

なので、友達の家に行くとポテチが食べれたり友人のおばあさんがインスタントラーメンを作ってくれるのが本当に楽しみでした。

そんな私でも高校生の部活帰りにはさすがにお腹が減りましたが、成長期の頃でも食欲というものがこれといって強いわけでも無く、お昼のお弁当も食べきれず残して友人にあげたりする日もありました。

専門学校生になり、一人暮らしをはじめるとお金も無いし実家にいる頃よりも、ますます食が乏しくなるので、一向に体重が増える気配がありませんでした。同級生の女の子達はみんな痩せたい、痩せたいと言っていたけれど私には何故みんな、そんなに肉がつくのか全くの謎でした。

成人してからは、少しづつ「美味しい食べ物」というのに興味も出てきて、お腹がはちきれるくらい食事をしたり飲み会が続いても、私の体はガリガリのままでした。私は食べても食べても一生太らない体質なんだな!と確信していました。

人からは、痩せている事をとても羨ましがられていましたが、私は逆に女の子らしい体形にとても憧れていました。夏に友人達と海に行ったことがあります。その時、私は張り切ってビキニを着てみました。当然みんなから、細い細いと言われ慣れている言葉を投げかけられました。嬉しくも何ともないのですが。。。

その日、写真も何枚か撮っていて(この頃はカメラしかなかった!)あとで現像すると、大ショックを受けました。

みんなで集合した写真を見ると、ただ痩せているという事ではなく栄養失調の骨と皮の人間が写りこんでいたのです!ホラー映画かと思うくらいに。

隣にいる女の子は適度な肉付きでかわいいビキニも本当によく似あっているのに。。

よくもあんな体を晒してはしゃいでいたかと思うと、本当に恥ずかしくてその写真を2度と見る事が出来ませんでしたし、誰にも渡せませんでした。(本当にホラーだったので)

それから間もなく、26歳の私はお菓子の勉強をするという名目でパリに引っ越しました。

住み始めて、本当にちょっとしたものがいちいち美味しいフランスの食材に驚き、食に関して貪欲ではない私でもさすがにワクワクせざるを得ませんでした。

その後、私はケーキ店で働けることになりました。私が仕事を教わっていた直属の先輩は、私が給料も安いのを知って仕事終わりにありとあらゆるレストランに連れて行ってくれました。その先輩方がいなければ、私はパリの街で餓死してたかもしれないほど、食のお世話をしてくださいました。

地元の人しか行かないような、ビストロや日本食、中華、ベトナム料理などなど美味しいお店に沢山連れて行って頂きました。ハードな仕事終わりにご飯に連れて行ってもらう、というそんな日々が続きました。

そしてどのお店も本当に美味しかった!心の底から美味しい食べ物や飲み物を味わえる幸せを噛みしめていました。私はパリに来て生まれて初めて「食いしん坊」になりました。

ちなみに、その先輩はいわゆる「ぽっちゃりさん」だったのですが、、、

そんなある日、たまたま体重計が目に入り何気なく乗ってみました。すると!30キロ代の数字しか見た事が無かった体重計の数字が43キロとなっていたのです!!!いきなりの5キロアップです!

私にとっては生まれて初めての40キロ代で、なんというかやっと大人になれた!!というような喜びでいっぱいでした。

という事を踏まえると。。。

「太った人と食事をすると太る」という事です。

あとは「お母さんの料理が美味しいと太る」かな?と思います。

その後約2年のパリ生活も終わり、私のデブ活も終わると思われたのですが人間というのは言わずもがな、年齢と共に代謝が落ちるという生き物。。

その後帰国しても痩せる事はなく、どんどんどんどん私は成長しました。

あの38キロは私の青春でした。

そして今朝、体重を図ったら最近の最高記録の49キロを出してしまい、これはヤバい!となりました。

体重を隠す人って本当に多いですよね??私はガリガリ時代が長かったせいか、体重を言う事が恥ずかしいという感覚がありません。そもそも何で恥ずかしいのか?分かりません。

以前は「ダイエットしなきゃ・・・」と言うのが夢でした。最近はそのセリフをリアルに言えるようになりちょっと嬉しくもありますが、仕事を長く続ける為に健康の事も考えると50キロの大台にはのってはいけない!と思っています。

なので今朝、本当にヤバいと思い焦りました。そんな訳で、夕方に早速運動しなくちゃと思ってランニングをしたら、鬼太郎ロードを超えた辺りで激しく転んでしまい、とても恥ずかしかったです。

以上

おやすみなさい。

にしやまゆみこ



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