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誰かの願いが叶う頃

タイトルは皆様ご存知、宇多田ヒカルさんの名曲である。
この曲は2004年の発売であり、当時私は大学1年生だった。そのころはこの曲が指し示すものが何なのか、全く理解しておらず、ただなんとなく「切ない曲だなあ」とぼんやり思っていた。

この曲の上辺だけをきくと不倫の曲のように聞こえるが、それは単に表層から読み取れる一つの比喩であり、じっくり聞くとこの社会で生きていくにあたってどうしても避けられない悲しい事実を意識することになる。もちろん全ての事象に当てはまるものではないが、こういう事を感じたことは、多かれ少なかれ誰にもあるんじゃないかと思う。

誰かの願いが叶うころ 
あの子が泣いてるよ
みんなの願いは同時には叶わない

ここ最近、この曲をよくリピートしていた。それは何故かと言うと、学くんが試合にでれない日が続いていたからである。

もちろん怪我をしていた時期があるので、治癒を優先というところがあった期間はあったと思う。しかし全体練習に復帰後もベンチにすら入らない試合が続く。私は日々クレイジー気味な発言をしているのでさぞキモオタかとお感じられているかもしれないのだが、それは確かに真実ではあるものの、実際麻生には1回しか行ったことがなく、未だ学くんからサインすら頂いたことすらない傍から見たら超絶ど新規ライト層である。なのでコンディションなどの詳細な実態は知らないのだけど、色々情報を見る限り、単純に序列でベンチに入れなかったタイミングもあったと思う。

左サイドはタレントが豊富である。阿部ちゃんを筆頭に、竜也くん、ノボリ、ときにはアキさんも左サイドに入ることもある。学くんが一番輝くポジションである左サイドは、非常に激戦区で、かつスキルの高い選手が揃っているため、スタメンはおろか、ベンチに入るのもハードルは高い。かつ、右も左も、TOP下もサイドバックも、器用にできるメンバーも多いため、基本的にはこのポジションがメインとなる学くんは、ここの序列に割って入らない限り、試合にでることはできない。

去年なかなか学くんが出れない日々が続いた時と同じではあるが、その時よりもずっと学くんのことが好きになっていたので、ファンとして非常に苦しい時間だった。もちろんフロンターレというチームも大好きなので、行ける試合は全部見に行ったし、学くんが出てようが出てなかろうが、アウェイにも駆けつけて、チームの敗北を悔しがり、チームの勝利をめちゃめちゃ喜んだ。勝ったときは、とっても嬉しい。ただ、どうしても心の底からは嬉しく思えないのである。

これは全員に当てはまるとは思っていない。あくまで私の場合である。選手個人よりも川崎フロンターレというチーム自体を愛している人も沢山いると思うし、そういうサポーターにとっては、チームはそのときの戦術やコンディションを加味したベストメンバーで戦うべきものであり、特定の選手の思い入れというのはその次にくるものだと思う。

しかし私はこの熱しやすく、特定のものに執着してしまうやばめな性格もあってか、とにかく「齋藤学」という選手への思い入れが強く、とにかく学くんに試合にでてもらいたかった。ベンチにはいっていても呼ばれない試合は悲しくて仕方がなかった。マリノス戦で、呼ばれずに肩を落とす学くんを見るのは本当に辛かった。学くんがピッチで走っている姿が何よりも好きだからである。

ここから先は私の性格の悪さからくるものであるので、記載するのもどうかと思うが、これを書かないとこの記事が成り立たないので書く。笑

やはりどうしても学くんの代わりに左サイドででている選手を羨ましく思ってしまう。決して嫌いではない。なんなら、とても好きである。阿部ちゃんも竜也くんも大好きなのである。ガチャも16番はそこそこ集めてしまう。川崎ハムスターズのグッズも全部買った。だからもちろん頑張ってもらいたいし、結果も出して欲しい。

だけど、結果を出してしまったら…?

学くんにチャンスは来るのかな…?

とそういう邪険な気持ちを感じるのも確かなのである。本当に最低である。私はよく旦那に性格の悪いひょうきんものと言われているが、そのとおりである。性格が悪いのだ…。Queen of the 性格悪いと呼ばれるにふさわしいだろう。。性格悪い of the yearである。今年の目標も「性格を良くする」と周りに宣言している。

人の不幸せを一瞬でも願ってしまう自分が最高に嫌いなのである…。

あなたの幸せ願うほど わがままが増えてくよ

まさにこういうことだ。

そしてこれは学くん本人は絶対に絶対にそんなことは思っていない。そんなことを思うスポーツ選手はいないだろう。正々堂々と実力勝負で選べれてスタメンに入りたいはずだし、そのために日々トレーニングを頑張っているのは100も承知である。阿部ちゃんや竜也くんと日々切磋琢磨して、磨きあって、素敵なライバル関係であると思う。

だから、そんな邪念が生まれるたび、この気持ちは間違っていると言い聞かせ、自分の心の狭さ、汚さにうんざりしてしまう。
それを癒やすためにこの曲を聞いているのである。

誰かの願いが叶うころ 
あの子が泣いてるよ
みんなの願いは同時には叶わない

資本主義社会、とくにこのスポーツ界という実力社会においては、こういうことは必然なのだと思う。人の想いや気持ちの強さははかれない。だからこそ、どんなに強く願って、努力をしていても、客観的な判断においては報われないことのほうが多い。
仮に怪我などが全くない状況において、私が学くんのことが好きなのと同じように、阿部ちゃんや竜也さんが好きなサポーターがいたとすれば、もし学くんがスタメンに選ばれたときに、私みたいに最低な邪念は抱かないと思うが、残念で悲しい気持ちにはなっていると思う。その選手のことが好きなら、見たいという気持ちがあるのは当然である。もちろん、達観された方はそんなふうには思わないかもしれないが…。

同時にこうも思う。そういう世界だからこそ、あの瞬間はめちゃめちゃに輝いているのだ。その選手にとって命をかけている時間なのだ。と思うと、どの選手も応援したくなるものである。とってもとっても輝いて見える。たとえうまくいかないときであっても。声援を贈りたくなる。それでいいのだと思えた。

先日のACL蔚山戦でついに学くんはスタメンで出場した。
スタメンで「齋藤学」という文字をみたときにはもう目の前が涙で滲んでいた。

サイドから何度も切り込み、チャンスを作った。あのドリブルと切込みは私が過去にマリノスの動画で何度も見てきた、最高に大好きなプレーの姿だった。それが目の前で、自分の目でやっと見れたのが本当に嬉しくて、見ているのが楽しくて、サッカーの試合ってこんなに楽しかったっけと思った。普段もとても楽しいはずなのに。好きな選手がいるだけで、こんなにも世界が変わるんだなと思った。

ただ今回は、竜也くんが累積イエロー、阿部ちゃんが前節でのコンディション不良というところもあり、色々な状況も含めての学くんの先発だったのかもしれない。もちろんそれがチーム戦、総力戦というものだし、それ自体は日頃トレーニングをしてきた学くんの努力の賜物だし、1つの素敵なチャンスだとも思うから、素晴らしいことだと思う。

だけどきっと学くんは、みんながベストコンディションなタイミングでこそ、スタメンに選ばれたいと思っているはずだ。選手ならきっとみんなそう思っているのだと思う。だからこそ一人ひとりのその闘志で、技術やメンタルも磨かれていくのだと思う。私もそんな日を心待ちにしているし、きっとくると信じている。だって大好きな「齋藤学」選手だから。

最後に、私は毎回楽しみにしている素敵なnoteがあり、その方はミスチルがお好きなようで、絶対深いファンしか知らないような、マイナーな曲まで取り上げていらっしゃるので、私もミスチルで締めたいと思う。実は私も20年来の大ファンなので。
とぅもねばさん、いつも楽しませていただいてます…!

この曲は、私はどなたかのTwitterであげられていた動画でしか見れなかったのだが、去年の最終節ホームで突如流れた1年間の振り返り動画で使われていた曲である。
Mr.Children「Your Song」
https://www.youtube.com/watch?v=ieQRDtBpBdY

飛び込んでくる嫌なニュースに心痛めて
また時にはちっちゃな事で笑い転げて
一緒に生きていく日々のエピソードが特別に大きな意味を持ってる
そう学くんじゃなきゃ
学くんじゃなきゃ

宇多田ヒカルではじまり、ミスチルでしめるというとりとめもない駄文でございました。

さあ、週末は神戸戦!!アウェイ、参戦しますよー!


その90分に命を削っている、青黒の戦士たちに、精一杯の声援を贈りたいと思います。


そしてもしそこに学くんがいたら、誰よりも大きな声で。