見出し画像

テストツールは世の中の「必然」である

今回は2011年に書いたものの転載です。

テスト自動化の推進の現場にて、手でやった方が早いから自動化しない、とか、テスト環境が変わったのでスクリプトが使えないって話に直面して、過去に自動化のコラムを書いたことを思い出したので、またまた転載します。これは、コベリティという静的解析ツールの会社が出していた小冊子に寄稿したものです(画像はその小冊子を撮影したものを載せてます。)。

この記事で書いているASTERテストツールWGは、その当時のテストツールベンダーの技術者が集結してできたもので、会社の枠を超えて一緒に活動をして、結果的に「テストツール丸わかりガイド」という冊子を作ることができました。この本の執筆までの話をどこかに書いたんだけど、思い出したらまたnoteしたいと思います。

--------------

先日、JaSST'11 CEDECに行き、東大輔さんによる「イマドキのテストツール」という講演を聞きました。講演にて、日本のソフトウェア開発ではテストツールがあまり使われていないという調査結果が紹介されていましたが、主な理由は、「値段が高い」「手のほうが早い」「(どのような)ツールがあるかを知らない」というものでした。

世の中で多くの人に使われている道具(ツール)には「必然」があります。例えば、自宅から職場までどうやって行くか考えてみてください。普通は、自転車、自動車、電車といった方法で(つまり、道具を使って)行くはずです。道具を使わず、「高い」「歩いたほうが早い」「どのような道具があるか知らない」という理由で毎日歩いている人はいないはずです。実際、道具無しでは通勤時間がかかりすぎてしまい仕事を続けることもままなりません。また、道具を使うためにはお金や時間も必要です。自動車を例にとれば、車の購入費用はもちろんですが、運転免許取得(つまり、道具を使うための技術習得)のためにもお金や時間を費やします。これを無駄だと思わないのは、道具に必然があるからです。

ソフトウェア開発に話を戻します。テストツールを使わない本当の理由は、実はツールに必然を感じていないからではないでしょうか。必然を感じなければ、お金も労力も費やしたくないものです。しかし、これからの開発は既存の活用が主流になり、開発の中でコーディングの占める割合が減っていきます。(Androidが良い例です。)つまり、テストが開発の大半を占める時代がもう目の前まで来ているのです。先ほど例示した通勤時間がかかりすぎてしまうことと同様のことにならないためにも、ツールの必然性を感じ、駆使していかなければなりません。筆者は、仲間とASTERツールWGを発足しました。この活動を通じて、テストツールを世の中の必然にしていければと思っています。

サポートありがとうございます。これをカテにこれからも頑張ります。