ジャグジーな想い

内に秘めた想いを夜空へぶつけるために
橋の上から水を落とす
バケツ一杯にためたお水を運ぶことが
一番の大仕事
家を出るときに
水面ギリギリまであった水は
橋に着く頃には半分まで減っている
これなら最初からバケツに半分だけ
お水を入れてくれば良かったじゃない
そう思ったけれど
なんだかつまらないし
お話にもならない
「これから私はとんでもない事をするんだ」
といったスリリングを味わい尽くすために
わざと私はバケツという選択肢を選び
水がこぼれ落ちる事を覚悟で家を飛び出した
水が橋の上から川面に注がれる
この音を白のレコーダー専用機で録音して
私は家に帰る
いつまでも私の元でこの音楽を
水と水が触れ合う
言うなれば水の音色を
ずっと噛みしめることができる
心から満足した私は
きっと洋服を脱ぎ出して
全てを月の元にさらしだす
照らされた私の身体は
少しピンク色に火照っている

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