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経理処理の疑問②クレジットカードの処理ってどうするの?

事業経費の支払いにクレジットカードを
使うことも多いと思いますが・・・

処理ってどうすんの?
いつ記帳すればいいの?
よく聞かれます

その場で資金が移動してるわけでもないので
いつ計上するのかわかりにくいんですよね~

そこで今回はクレジットカードの処理方法について
お伝えしていこうと思います


現金主義と発生主義


そもそもクレジットカードって
どういうお金の流れになっているのか

購入者側から見ると

購入時→金銭移動なし
利用明細発行時(請求金額確定時)→金銭移動なし
請求額引落時→支払い(金銭移動あり)

ですよね?
購入から支払いまで1ヶ月~2か月くらいある

じゃあ、どこで処理するの?
って話になると思うけど
それを語る上で大切なのが

現金主義と発生主義

です

これは帳簿付けについての考え方なのですが
この違いをまずは確認していきましょう


現金主義


現金主義とは売上や経費について
「金銭の受け渡しの時点」
で帳簿付けをする方法のことです

現金主義のメリットは・・・

帳簿の付け方が単純なので
簿記の知識に自信がなくても帳簿付けができます

また、金銭の動きに基づいて帳簿付けがされるので
架空の経費を計上したり
売上隠しをすることができません
(いや、したらアカンよw)

例1:1万円の商品を販売し
  現金1万円を受け取った
  現金/売上 ¥10,000

例2:1万円の商品を掛売し
  後日1万円を現金で受け取った
  販売時 → 仕訳なし
  現金受取時 → 現金/売上 ¥10,000

デメリットは・・・

金銭を受け取ったものしか
売上として帳簿付けされていないので
売上代金が未入金となっている限りは
永遠に売上が上がりません

仕入れについても代金を支払わない限りは
永遠に経費になりません

例1:1万円の商品を掛売したが
   支払って貰えない場合

例2:1万円の商品を仕入れたが
   支払いを忘れていた場合


発生主義


発生主義とは売上や経費について
金銭の収受に関係なく
「取引が発生した時点」
で帳簿付けをする方法のことです

発生主義のメリットは・・・

金銭の動きに関わらず取引の発生に
基づいて帳簿付けを行うため
一定期間でいくら儲かっているかを
把握することができます

また未回収の売上代金や未払仕入代金などが
把握できるようになり
事業の財務状況がわかりやすくなります

例1:1万円の商品を販売し、掛売とした
  売掛金/売上 ¥10,000

例2:1万円の商品を仕入し
  支払いは後日とした
  仕入/買掛金 ¥10,000

例3:パソコンを修理し、代金の5,000円は
  後日支払いとした
  修繕費/未払金 ¥5,000

デメリットは・・・

お金の動きと関係なく
売上や経費を計上するため
簿記の知識が不可欠となります

売掛金・買掛金・未払金などの
科目を使用することや
その入金・支払の際の処理など
簿記3級程度の知識は必要になるかな?
と思います


原則は「発生主義」


え~じゃあ簡単だから現金主義で処理しよ~と
思うかもしれませんがね・・・

発生主義が原則となります

現金主義で処理するためには

  • 青色申告(但し控除は10万円)

  • 前々年分の所得金額が300万円以下

  • 特例を適用する年の3月15日までに届出書提出

が必要となります

・・・・・・・・・・・

え、めんどくさ
と思ったあなた
正常です(笑)

わざわざそこまでして
現金主義を貫かなくても~
と私は思います

発生主義も慣れれば問題なく処理できます
ちょっとずつ処理できるように
ここで学んでくださいね~


※※ちょっとBreak※※

発生主義と聞くと、毎月毎月やらないと
いけないの?と思うかもですが

電気代だの携帯代だのって
ほとんど後払いですよね?

そんなん全部やってられるか~!
となるので通常経費は現金主義で処理しつつ

決算期末時のみ売上・仕入・経費などを
売掛・買掛・未払で処理していきます

売上・仕入に関しては常に掛で管理する方が
いいと思いますけどね

どちらにしても
この月は現金主義~次の月は発生主義~
とか混ぜ混ぜしないように注意ですよ!

個人事業主の場合の期末処理(12月が期末)

例1:12月の電気代1万円が
  1月に口座振替された
  水道光熱費/未払金 ¥10,000

例2:12/29に1万円の商品を掛売した
  売掛金/売上 ¥10,000


クレジットカードの処理は?


はい、やっと本題です(笑)
前置き長くてすみませぬ・・・

さてさて上で説明したように
処理は「発生主義」が原則です

クレジットカードの場合は
購入時が処理のタイミングになります
(基本はね、基本は・・・)

実際にわたしたちが
どうやって処理しているのか
2通りの処理方法をご紹介しますね~

①購入時処理


はい、発生主義の基本中の基本
購入時で処理する方法です


6/10 消耗品/未払金 ¥110
6/12 車両費/未払金 ¥3,000
6/15 水道光熱費/未払金 ¥12,000
6/18 接待交際費/未払金 ¥8,000
6/30 通信費/未払金 ¥2,900

都度処理をするのでわかりやすいんですが

さて問題です!
電気代の「発生時」はいつでしょうか!?
携帯代は?
水道代は?

・・・わかりにくいですよね
このへんの費用

電気や水道はメーターの検針時に
ポストに料金のお知らせが入ってますが
ちゃんと見たことあります?

携帯代は料金お知らせメールが来ますが
料金確認してます?

見ません
私は見てません

この状態で発生主義で処理するの難しいですよね?
なので私たちは基本的に

クレジットカード利用明細書

これを見ながら入力作業をしています

利用明細書とレシートを照らし合わせながら
↑の例で記載したような仕訳作業を行っています

利用明細書を見ながら処理すれば
電気代だろうが携帯代だろうが
漏れなく処理することができます

なので、カード払いのレシートは
現金払いのレシートとは別で保管しておき

利用明細が届いたら
(ネット明細の場合は出力してね)
一緒にクリップなどでとめておくと
処理する時に楽です

書類整理の方法は⇩これ見てね
見てね←


②利用明細発行時(請求金額確定時)処理


①と何が違うねん
そう思ったあなた!
鋭いですwww

基本的な処理方法は①と同じです

ただ利用明細ごとに「まとめて」
仕訳を入れておくと

支払時に金額が合ってるか
確認しやすい(ってだけ)です(笑)

どういう処理かというと

例:7月支払い予定 ¥46,000
  利用明細発行日6/20
6/20 消耗品  /諸口 ¥15,000
   電気代  /諸口 ¥11,000
   接待交際費/諸口 ¥5,000
   車両費  /諸口 ¥5,000
   通信費  /諸口 ¥10,000
   諸口  /未払金 ¥46,000

こうして処理しておけば支払い時
未払金/○○銀行 ¥46,000

あ、未払金ちゃんと消えたな
って確認しやすいんですよね~

ただ、この方法だと
・実際の購入月で処理できないので
 かかった経費がわかりにくい
・決算期末だけは利用明細でまとめて
 処理できない
 (締日が月末をまたいでいる場合があるため)

なので、正確に経費を把握したい場合は
①をおすすめします

クレジットカード利用が数百万円
利用明細が5枚6枚7枚・・・と多い場合は
②の方が未払金残高を確認しやすいので
おすすめです

それぞれの利用状況に合わせて
処理してくださいね~


プライベート用のカードを利用した場合の処理


まあ分けて欲しいんですけどね
プライベート用と事業用(笑)

どうしても使わないといけない場合も
あるかと思いますので
その処理方法をお伝えしますね~

①引落口座が事業用の場合


引落口座が事業用の場合は
次のような処理になります
(便宜上まとめて処理で説明しますね)

例:7月支払い予定 ¥46,000
  利用明細発行日6/20
6/20 店主貸  /諸口 ¥15,000
   電気代  /諸口 ¥11,000
   店主貸  /諸口 ¥5,000
   車両費  /諸口 ¥5,000
   通信費  /諸口 ¥10,000
   諸口  /未払金 ¥46,000
支払時 未払金/○○銀行 ¥46,000

明細の中でプライベート用のものは
「店主貸」勘定で処理します

他は事業用カードの処理と同じです


②引落口座もプライベート用の場合


引落口座がプライベート用の場合
明細ごとのまとめて処理はできません

どうするかというと

事業用のものだけピックアップして
店主勘定で処理します

明細の中で事業用のものを確認
もしくはレシートで確認して
帳簿処理します


6/10 消耗品/店主借 ¥110
6/12 車両費/店主借 ¥3,000

要は生活費から支払いしました
という処理をするわけです

たぶんプライベート用のカードを使う場合
②のパターンが多いと思いますので
↑を参考に処理してみてくださいね~




今回はクレジットカードの処理ということで
現金主義や発生主義の説明もしてきました

ちょっとうまく言語化できてない部分もあると思うので
不明点があれば是非TwitterのDMまで
お問い合わせください

ではでは、ここまでお読みいただき
ありがとうございました~(o_ _)o))




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