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精神科医は漢方薬に精通しているのか?~「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」を読んで思ったこと~

開業時から約30年診てもらっていた精神科医が勇退してしまったため、僕は新たに精神科医を探すことになり、昨年2件精神科を変わった。精神科や心療内科は相性があるため、評判の良い先生は半年待ちや、新患は受け付けていないことも多い。永らく診てもらっていた先生がどれほど親切丁寧に患者に寄り添っていたか転院してから初めて気が付いた。その先生は長時間ではないが毎回自由診療でリーズナブルな料金でカウンセリングもしてくれた。他愛もない世間話なども多かったがそれでも、とても気持ちが落ち着いた。
クリニックが変わり、最初に予約が取れた心療内科は以前から処方されていた漢方薬(加味帰脾湯)も含め全て前の処方から引継ぎ、西洋薬を適宜増減していった。低姿勢で物腰柔らかい先生だったが僕には合わなかった。2件目の先生も基本的に前の処方を引き継いだが、漢方薬だけは削除した。僕も効いてるのか良くわからなかったので承諾した。加味帰脾湯をやめ、コロナ後遺症に使う補中益気湯を他の病院で処方され服用し始めてから段々と体調が悪くなってきた。加味帰脾湯は元々精神科で処方されていた漢方薬なので、その2件目の精神科医へ処方を頼んだ。すると「うちではそれは扱ってない。葛根湯のような有名な漢方は出すことがあるけど...」それは逆だろう!医者なら漢方薬にも精通しているだろうと思った。しかし前出の本を読んでいかに一般の医者が西洋薬のみに頼っているかが分かった。2件目の先生は「扱っていない」のでなく「自分のわからない薬は処方できない」のだ。この本の著者及び監修者は立派な大病院のセンター長や名立たる医学博士だが、全く漢方薬の知識がないことが分かった。だからこの本は患者のためというより医師のためのフローチャートなのだということが分かった。もし副作用が出た場合など事細かに書いてあった。医師の資格を持たないが有名な漢方専門薬局が多い意味が分かった。

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