切り捨てられないライターになるには
ライターになってから常に実感するのが、クライアントさんとの関係を良好にしていくと、仕事が増えていくなということ。
文字や記事の価値が上がってくると、「自分の力はこんなに安くない」と思ったり、クライアントの無茶な納期にイライラしたりもしてくることがあると思う。でも、そんなときこそ、1記事数十円だった時代のことを思い返してみる。
自分の文字がお金になるということは、当たり前ではないし、自分だけの力で成り立っていることでもない。自分の言葉を発信してくれるクライアントさんや画面越し・紙越しで読んでくれる読者がいるから、私たちライターは食べていける。
そんな当たり前のことを、お金を稼げるようになると、忘れていきそうになることもある。
個人的には、ライターは謙虚な姿勢でいる必要はないと思っている。納期が無理なときは素直に断ればよいし、やりたくない仕事は拒否してもよいと思う。
しかし、そうしたときにも次に繋がる断り方が必要なのではないだろうか。
同じ「できません」でも、ただ「無理です」というのと、「今回はスケジュール的に厳しくて対応が不可能なので申し訳ないですが、お声掛けいただき、大変嬉しかったです」というのでは、クライアントさんに与える印象も違ってくる。
記事の執筆依頼を頂いたときも「対応可能です」ではなく、「ぜひ執筆させていただきたいです」のほうが、お互いにいい気分になれるのではないだろうか。
媚びろというわけではない。ただ、クライアントさんも人間なのだから、ライターとクライアントという付き合い方ではなく、人と人の付き合い方をして、ライター以外の自分も好いてもらえたら、これほど幸せなことはないのではないだろうか。
今の時代、ライターは溢れるほどいるから、「切り捨てられないだろうか」と不安になることも多いだろう。しかし、人間としてクライアントと繋がっていれば、そうした不安感もグっと減っていくのではないかと思う。
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