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きれいな雪が見えたから。

人にはそれぞれ、言われたくない言葉があると思う。
悪口は論外だけど、はたから見たら、褒め言葉に思えるような言葉に傷ついている人もいる。

言葉で泣いた分、強くなれたらいいのになあ。
言葉で築いた分、誰かや何かを優しく言葉で包みこもうとしても、結局は言葉でズタボロにされて。

だったら、「言葉なんていらないや」って、ライターなのに思う矛盾。

あなたの前で笑ってごまかした言葉で、私がどれだけ泣いたかなんて知らないでしょう。
大人のフリで流した言葉。
あなたの前で流した言葉。
それが胸に刺さって、心がもう形を留めていられなくなりそう。

手のひらで、ギュっと心を掴んでみるけど、根っこまでは掴めない。
心が消えて、息ができなくなる。
私がドロドロ溶けだして、また人形のような顔になる。

窓の外に降る雪がひたすら綺麗で、こんな風に白く清く儚かったら、少しは自分を好きになれたのかなと思った。
こんな風に綺麗な景色を眺めたから、ああ、もう心ごと体も消えてもいいやって思った。

刃に伸ばす手。
そこには「メンヘラ」なんて言葉では片づけられない想いがあるのに。
その想いを、あの頃は“誰かが”分かってくれていたはずなのに。
もう、ひとりぼっちだ。

壊れていくのは生活じゃなくて、私自身。
壊してしまうのは、愛ゆえじゃなくて執着から。
こんな関係も、依存的な想いも、私も、全部全部終わってる。
全部全部、終わらせたい。

ハリボテの心に頑張って、色々詰めてはみたけど、結局偽物はニセモノ。
トゲが刺さったら、つめてきたものなんて簡単にこぼれていって、また空っぽになる。

誰の声も聴きたくない。
誰の言葉も見たくない。
誰の温度も恋しく思いたくない。

また愛想笑いが平気でできるようになるまで、誰にも近づいてほしくない。

でも、誰かに触れたい、矛盾。

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