【書評】「ねこ啓発」が心に染みる…!猫を飼うと人が幸せになれるワケとは?

猫は犬よりもマイペースで、自由気ままな動物であるように見える。しかし、なぜ、猫の飼い主はあんなに幸せそうなのだろう。そう感じたときに手に取ってほしいのが『幸せになりたければ猫と暮らしなさい』(樺木宏(著)/かばきみなこ(監修)/自由国民社)である。本書には、もともと犬派であった樺木氏が7匹の保護猫と暮らす中で感じた「ねこ啓発」(猫と暮らすことにより人の潜在的な能力が引き出され、精神面でも成長すること。またはその効果)が詰まっている。果たして、猫と人間の幸せはどう繋がっているのだろうか。

■猫が人間を幸せにする理由とは?

猫以外の動物にも人を癒す力はある。しかし、人間は猫と暮らすことでより多くの幸福感を得ることができる。なぜ、他の動物ではなく、猫でなければいけないのだろうか。その理由は、本書の中に綴られている科学的根拠から明らかとなる。

人間が幸福感を得るには、神経を安定させる「セロトニン」やセロトニンの分泌を促す「オキシトシン」、苦痛を乗り越えた後に快楽や幸福感を味わえる「ベータ・エンドルフェイン」という3つのホルモンが鍵となる。しかし、こうしたホルモンはすべて、猫と関わるだけで得ることができるのだ。

例えば、猫は薄明薄暮性であるため、明け方に活発になる。中には飼い主を起こし始める猫もいるだろう。すると、飼い主は自然と早寝早起きの習慣がつき、朝日を浴びることでセロトニンの分泌が活発になるのだ。そして、猫はコミカルな仕草や愛くるしい姿を日常の中でたくさん見せてくれることも多い。こうした姿を見たときもセロトニンは分泌されるので、飼い主は幸せな気持ちになれるのだ。また、オキシトシンは猫を撫でると分泌されるのだそう。ベータ・エンドルフェインに至っては、猫を見て「かわいい」と思うだけで分泌されてしまうのだという。

こうして、猫の凄さを再確認してみると、猫という生き物はただ存在しているだけで人を幸せにしてくれる動物なのだということが分かる。人間を幸せな下僕にしてしまう科学的根拠が猫には詰まっているのだ。

■猫は人生に必要なことを教えてくれる
自由気ままに生きている猫という動物から人間が教えられる人生の教訓は、とても多いようだ。先の見えない将来への不安や人間関係の悩みは、生きている限り尽きることはない。しかし、そうしたときこそ、猫の生き方を自分の人生にも取り入れてみよう。

例えば、猫は相手に好印象を与える「ゲイン効果」を自然に行っている。猫は警戒心が強い動物であるため、最初は愛想がないことも多い。だが、そんな性格だと思っているからこそ、近寄ってきてくれたり、甘えてきてくれたりすると虜にさせられてしまう。この「ゲイン効果」は人間界でも非常に役に立ち、自分の印象を相手に強く残すための切り札ともなる。

猫の生き方にはこのように、人間が学ばされることも多く溢れている。猫と共に暮らすことは自分自身を高めていくことにも繋がっていくのだ。

猫は様々な方法で人間を癒し、大切なことを学ばせてくれる良きパートナーだ。しかし、残念ながら現在の法律では動物はモノとしてしか扱われていない。これほどまでに人を幸せにしてくれる猫に人間側ができることは一体なんなのだろう。それを考えていくことが、幸せをくれる猫へのお返しになっていくはずだ。

文=古川諭香

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