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フランスのウサギ大好き事情_パリ節約自炊生活番外編

フランス人はウサギさんが大好きです。もちろんフランスでも犬も猫も飼われていてとても大切にされていますが、フランス人のウサギ好きは犬や猫とはちょっと違った不思議な方向で大好きで、日本人の私としてはちょっと不思議な戸惑いを覚えてしまいます。という事で今回は、フランス人が大好きなウサギさん事情についてお伝えします。

◆ウサギさん、愛でられる

トップの写真は以前記事にしたフランス最大のBIO展示会“Marjolaine le Salon Bio”の会場にいたウサギさん。エコなライフスタイルの展示内容の一つとして、元気に餌を食み跳ね回っていました。
上の写真はブローニュの森にあるアクリマタシオン庭園内の動物園にいるウサギさん。ヤギや珍しい鳥と一緒に、ウサギさんも展示されていて大切に飼われています。
これ以外にも、パリ市内の普通の公園にもウサギさんが飼われいていたりと、フランス人はウサギさん大好きなんだなぁと様々な面で感じます。

◆ウサギさん、描かれる

こちらは、フランス国立中世美術館の企画展で展示されていた中世のゴブラン織りの大作。3m×3mの繊細な大作の中にも、ウサギさんはいました。これ以外にも、美術館でウサギを描いた作品を見つける事も多く、古くからウサギさんはフランスの生活に溶け込んだ存在であった事が見受けられます。

◆ウサギさん、商材になる

更に、ウサギさんは可愛らしいモチーフとして古くから様々な商品に活用されてきました。こちらはパリではないのですが、ドイツはケルンのチョコレートミュージアムで見つけたウサギ型。見た目はだいぶシュールですが、古くからウサギさんが商売のモチーフに使われてきた事がわかります。
パリの街を歩いていると、チョコレートショップでも雑貨店でもウサギさんモチーフを見かけ無い事はありません。それだけ、ウサギさんは商売につながる存在として重宝されてきた事がわかります。

◆ウサギさん、食材になる
そんなウサギさんですが、フランスでは実は食材でもあります。普通のスーパーマーケットでもチキンやターキーと並んで当たり前にLapin(ウサギ)肉が売られています。ちょっと赤身ですが、フランスでは鶏肉同様にWhite meat(白身肉)の一種になるようです。
更に、肉屋さんやマルシェに行けば、ウサギさんを飼っている人や生肉が苦手な人は直視でき無いような状態でウサギさんが売られています。詳述は避けますが、私が初めて見たときはかなりショックを受けました。そしてそんな食材たるウサギさんを、妙齢のパリのマダムがムッシュの喜ぶ顔を思い浮かべながらにこやかに買っていく様は、まさにカルチャーショックでした。

◆ウサギさん、食べられる

というわけで、フランス人はウサギさんを食べる事も大好きです。こちらは以前伺ったある大学の学食メニュー。学食にウサギさん。もちろんパリ市内のビストロでもウサギさんメニューは、ローストだったりコンフィだったりとよく見かけます。

可愛がって飼い、商材として愛で、食材として売り、にこやかに食べる。現代日本ではウサギさんを食べる習慣はなく、ウサギさんが可憐な目をしているので、ちょっとびっくりしてしまいますが、よく考えるとヒヨコも子豚も仔牛も子羊も同様に、モチーフとして愛でながら日常的に食べているわけで、何も変わら無いのです。食はそれぞれの文化や歴史に根ざしていて、偏見をもったり否定したりする事はそのまま、彼らの文化や歴史を否定する事になるのだと、食文化の敏感さについて考えさせられるウサギさんなのでした。

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