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新春の風物詩 ガレット・デ・ロワ事情_パリ節約自炊生活番外編

日本で1月7日といえば、七日正月として正月に暴飲暴食をした胃を労わるために七草粥をいただく日ですが、パリを始めとしたキリスト教の影響が大きい国では、1月6日の公現祭前後にガレット・デ・ロワを食べる習慣があります。日本の彼岸にいただくぼた餅(おはぎ)や、子どもの日にいただく柏餅のように、伝統的に家族で祝いながらいただくお菓子で、各お菓子屋さんやスーパーマーケットでもこの時期は必ず品揃えします。という事で今回はガレット・デ・ロワ事情についてお伝えします。

◆ガレット・デ・ロワとは?

ガレット・デ・ロワは(地方によって異なりますが)一般的なのはフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子で、中にフェーヴ(fève、ソラマメの意)という陶製の小さな人形が一つ入っています。1月6日の公現祭前後に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、幸運が一年間継続すると言われているそうです。王冠を被るからガレット・デ・ロワ(王様のガレット)だと勘違いしていましたが、ロワはイエス誕生時に来往した東方の三賢者の事だそうです。
「王冠を被り」という事で、菓子屋さんやスーパーマーケットで販売されているガレット・デ・ロワには紙製の王冠が付いているのが一般的です。日本でいう節分の鬼の面のようですね…

こちらは我が家で購入したPAULのガレット・デ・ロワに入っていたフェーヴ。伝統的には陶製の小さな人形ですが、PAULではオペレーション簡素化のためか、この様なプレートを入れている様です。ちなみに、購入した袋にも同じ絵が描いてあったので、毎年モチーフを変えているかもしれません。

◆お菓子屋さんのガレット・デ・ロワ

こちらはMaison Georges Larnicolのガレット・デ・ロワ。きちんとした菓子店だけあって、綺麗なウェーブを描ています。

こちらは近所のお菓子やさん。一番大きい25€(約3,125円)から、お一人様用の小ぶりなものまでサイズはいろいろ。味も伝統的なアーモンドクリームだけでなく、アップルパイ的なガレット・デ・ロワも品揃えされていました。

◆スーパーマーケットのガレット・デ・ロワ

こちらはカルフールマーケットの売場。大きなサイズが6.95€(約869円)と良心的。さらに、現代の核家族化を反映してか、一人用サイズのガレット・デ・ロワ×2個入も2.6€(約325円)とリーズナブルに売られています。こちらも味も伝統的なアーモンドクリームとアップルパイの2種類展開していました。

さらに多種多様なガレット・デ・ロワを品揃えしていたのがちょっと高級スーパーのMonoprix(モノプリ)。サイズ展開はもちろんのこと、こちらはチョコレート味からフランボワーズ、そしてBIOのものまで、顧客の嗜好に応じて様々なガレット・デ・ロワが展開されていました。

◆ガレット・デ・ロワ占いの結果…

我が家でガレット・デ・ロワを8等分して吉慶を占った結果…我が家の女帝であるうさこちゃんが、見事フェーヴを引き当て、見事年女となりました♪切り分けてフォークを入れてみるまで誰のピースにフェーヴが入っているか分からないのでドキドキで、意外と楽しめます。ロシアンルーレット的でかなり楽しいです。

歴史や伝統に根ざした食はもちろん貴重な文化で、本来的な意味を踏襲する重要性はありますが、一方で廃れてしまっては元も子もない。そういう意味で、現代的な核家族化や嗜好の多様性に対応してガレット・デ・ロワが食文化として残っているのは、とても素敵な事だと感じました。そして、日本でクリスマスにチキンを食べ、ケーキを食べるように、ガレット・デ・ロワも十分に日本で根付くであろう予兆をひしひしと感じました。

以下、超絶余談ですが…各小売業者の皆様、ガレット・デ・ロワは次に仕掛ける人口催事にぴったりだと思います。正月明けという売り上げが停滞する時期に、欧米で伝統的・スイーツ・幸運・小振りでもOK、と売れるキーワード満載。しかも、中に隠し入れるフーヴェにQRコードでも刷り込めばキャンペーン連動できる…抽選で○名様に○○坂又はVtuberのサイン又はグッツプレゼント…あぁもう売れる気しかしない。ハロウィンの次は、ぜひガレット・デ・ロワで人口催事の花火を上げてください♪

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