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パリのSurimi(スリミ)事情_パリ節約自炊生活番外編

パリのスーパーで必ず売られている、フランス人にとっても一般的な食材、それがSurimi(以下、スリミ)です。日本のかまぼこやカニカマ等の練り製品を総称してスリミとフランスでは言うようで、スーパーには様々なスリミ製品が売られています。今回は日本人からするとちょっと不思議なスリミ事情についてお伝えします。

◆フランスで人気のスリミとは?

フランスのスリミは、日本のかまぼこやカニカマ等の練り製品の総称で、スーパーマーケットでは様々な種類のスリミが売られています。一番目立つのはカニカマ風のもので、その名も「Surimi Tendre」、ちょっとかっこいい。他にはカニカマほぐし風や輪切り状のもの、マヨネーズやソースと和えたものも売られています。
フランスの家庭ではサラダに乗せたり、薄切りのバゲットや以前紹介したビスコッティに乗せて冷たい前菜として食べることがほとんどのようです。

◆スモークサーモン越えの大人気

2006年のJETROのレポート(*1)によると、フランスでは10年以上も前からスリミ製品が売られていて、欧州最大のスリミ消費国だそうです。スーパーの水産部門の売上の33%を占め、なんとフランスっぽいイメージの強いスモークサーモンを抜いてトップの売上だそうです。ちょっと驚きです。

◆スリミはどこからきているのか?

フランスでこんなにもスリミが大人気なのは嬉しい限りですが、残念ながら日本からの輸入品ではありません。前述のJETROのレポートによると、大部分はフランスで加工されていて、現状のスリミベースは60%が米国から、30%がチリからの輸入だそうです。完成品も輸入されていますが、大部分は東南アジア、それ以外ではリトアニア・エストニア・インド・ペルーからの輸入で、日本の完成品をフランスに輸出することは、価格面と食品衛生基準面でハードルが高いようです。
もともとは日本発祥の食材が、こうやって世界で人気になっているのは嬉しい反面、その生産にも消費にも日本があまり関われていないことは少し寂しくもありますね。


*1…平成17年度食品規制実態調査 フランスにおける食と農業の動向と食の安全性確保の取組み

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