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2月2日はクレープを食べる日!Chandeleurとスーパーのクレープ事情_パリ節約自炊生活番外編

2月3日は節分ですね。豆を撒いたり、無言で恵方巻きを食べたり、メザシと柊を戸口に飾ったりしてますか?
節分とは1日ズレますが、キリスト教徒が多勢を占めるフランスでは2月2日はChandeleur(ろうそく祝別の日)という特別な日であり、そして「クレープを食べる日」なのです。ということで今回はChandeleurの由来と、スーパーマーケットの催事事情についてお伝えします。

◆Chandeleur(ろうそく祝別の日)とクレープの由来

クリスマスから40日後にあたる2月2日は Chandeleur(ろうそく祝別の日)という「聖母マリアの清める」祝日と呼ばれ、Chandeleurはフランス語の chandelle(ろうそく)に由来しているそうです。日本の節分とも似ていますが、2月は寒い冬を越えて春に向かう“再生”の時期と考えられ、キリスト教的な贖罪の思想が加わり、清めの色とされる緑のろうそくで、この日を祝うようになったそうです。

このChandeleurにクレープを食べるようになったのは、クレープの色や形が太陽を象徴していて、春の良い天候を表すからとされていて、一年の幸運と繁栄を願い、クレープを焼きます。更に運試し的な意味もあり、左手にコイン、右手にフライパンを持ち、片手だけで上手にクレープをひっくり返せたらその一年は幸せに過ごせると言われているそうです。

◆フランス人のクレープ愛

本noteでも何度か特集していますが、フランス人のクレープ愛は日本人のたい焼き愛とたこ焼き愛を足して三乗したくらい凄まじく、街のいたるところにCrêperieというクレープ専門店があります。8€(約1004円)からで簡単にクレープをいただくことができ、フランスのファストフードの様な感覚です。ガレット(そば粉のおかずクレープ)+甘いクレープ+飲物で10~12€というコースも一般的で、安くてお腹いっぱいになる庶民の味方です。(詳細は以前書いたCrêperieの記事をご覧ください)


スーパーマーケットでも必ず写真の様な調理済みのクレープやガレットがチルドで売られていて、温めてすぐ食べられる様になっています。調理法は様々ですが、ガレットではハムやチーズを乗せて焼いたり、クレープではシンプルに砂糖だけや、チョコレートクリーム、ジャムを乗せて食べるのが一般的です。

余談ですが、原宿や郊外型モールで売られている様な日本で一般的な生クリームたっぷりのクレープは日本独自の進化を遂げた感じがします。生クリームのメニューもありますが、どちらかというと皿に乗せてナイフとフォークでいただくのが一般的なパリのクレープで、チョコレートやジャムが入っていて平らなイメージです。

◆スーパーのクレープ事情

日本のスーパーで節分催事コーナーがつくられ、豆や恵方巻きが集合陳列される様に、パリの大きなスーパーではクレープ催事コーナーが出来上がります。こちらは2月2日当日に撮影したのでかなり売れてしまってスカスカですが、最初はジャムやチョコレートだけではなく、クレープ専用のフライパンやクレープ専用の粉が沢山陳列されていました。

クレープ専用のフライパンは通常のフライパンに比べて縁が低く、正直クレープを焼く以外の用途には使えそうにありません。最初は「誰がこんな特殊なもの買うんだろう」と思って見ていましたが、2月2日までに完売したところを見ると、日本の鍋用ホットプレートやたこ焼き用ホットプレートの様に、一家に一台の必須アイテムかもしれません。写真左上はクレープ用ホットプレート。ホットプレートと言うものは、食文化に合わせて独自の進化を遂げるようです。

イタリアのフェレロ社が発売するチョコレートペースト Nutella(ヌテラ)はフランスでも大人気。パンに塗ったり、街のクレープ屋さんでもディスプレイとして陳列されていて、クレープのトッピングとしても人気です。2月2日のクレープの日は大商戦のようで、特製の紙什器でここぞとばかりに爆裂陳列されていました。

家で調理する時間のない人向けに、デザートとしてのクレープも販売されています。前述の通り生クリームもりもりと言うよりは、りんごやフランボワーズなどのジャム、キャラメルやチョコレートのソースを中に入れたシンプルなものが一般的のようです。

食べるものは異なれど、2月頭を冬と春の入れ替わりとして、新しい季節をお祝いするのは洋の東西を問わず同じであるという風習はとても興味深いです。日本で節分クレープなんていう人口催事が流行るのも時間の問題かもしれませんね。小売・飲食関係者のみなさん、ぜひ節分クレープを流行させてみてください🎶

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