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パリ節約自炊生活番外編 パリっ子の夏休み事情

8月になり、急激に街で日本人観光客を見かける事が多くなりました。ここ数日、家から歩いて5分のスーパーマーケットに行くだけで、2〜3組の日本人に遭遇します。あぁそうか、日本も夏休みだなぁ…と思い出す一方、実はパリの街自体は少し閑散としています。その理由を含め、今回はパリっ子の夏休み事情についてお伝えします。

◆フランス人の有給休暇は年5週、当然完全取得

欧州全体で会社員が有給休暇を完全取得するという話はご存知の方も多いと思いますが、フランスでは1936 年に2週間の有給休暇制度が全労働者に対し法律で制定されています。1936年の日本といえば、2月に二・二六事件が勃発、11月に日独防共協定を締結し、その後戦争へと突入していくわけですが、その1936年からフランスの労働者は2週間の有給休暇が義務だったわけです。

その後フランスの有給休暇は徐々に拡張、1981 年に5週間の有給休暇が規定され、現在まで続いています。1980年代の日本といえば、バブル景気が勃発、“24時間戦えますか”、“5時から男”が流行語になりますが、その頃からフランス人は年間5週間の有休を労働者の権利として当然に完全取得しているわけです。

有給休暇やバカンスに対する歴史的・文化的背景がこんなに違うのですから、35年遅れて日本にやってきた“働き方改革”がどれだけ大変か…想像に難くないです。

◆フランス人は夏休みは何処へ?

フランス人の友人に言われた印象的な言葉、「8月にパリにいるの?こんな暑苦しい所にパリっ子は誰もいないよー、居るのは観光客だけ笑」

と言うわけで、地元のパリっ子はどうやら“暑苦しいパリ”を脱出しているようです。ではパリっ子は何処に行くのか? 調べてみると、フランス政府主導の国内向け観光政策の影響もあり、2005年のデータでは、何と90%はフランス国内でバカンスを過ごしているそうです。フランスは国土が広く気候も大きく異なるため、フランス国内の気候の異なる観光地でのんびり避暑、もしくは思いっきり海水浴するのがパリっ子のバカンスの過ごし方のようです。

◆結果、8月のパリは観光客だらけ

と言うわけで、今週になってめっきりパリの街は閑散としています。自分で直接確かめられていないのですが、パリ在住10年目のお姉さん曰く、“パリの築地”的な卸売生鮮市場が8月は完全休業のため、良い材料が仕入らない事から、料理に自信のあるレストランほど8月は長期の休みを取るそうです。もちろん観光産業は稼ぎ時なので、目抜通りのカフェやブラッスリーは絶賛営業していますが、8月中は腕に自信のあるレストランはお休みの処も多いようです。

パリ旅行の際に、長期滞在型でパリっ子の本当の生活を垣間見るような旅行を計画している様でしたら、8月は避けてもう少し落ち着いた時期に来仏するのがおすすめです。

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