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予防と気遣いの国ニッポン②(一時帰国で見た良い事・不思議な事30連発)_パリ節約自炊生活番外編

パリ節約自炊生活10ヶ月目にして日本に一時帰国し改めて気づいた日本の良い事・不思議な事、後半は日本人の行動や生活に関する良い事・不思議な事をお伝えします。

16.見渡す限りのマスク
空港に着いて真っ先に気付いた違いは、マスクの人が多いこと、多いこと。フランスでは観光客と自転車に乗っている人以外でマスクをしている人を“全く”見かけ無いので、久々のマスク集団に驚きました。フランスでは単にその習慣が無いというだけなのですが、見慣れない分、マスク集団を初めて見たフランス人は、日本ではとんでもないパンデミックが発生している様に感じるかもしれないと思いました…

17.電車や人混みスリに怯えなくて良い
パリは本当にスリの多い都市で、私の知人でも数名被害にあっています。地下鉄の路線にもよりますが、緩めのコートのポケットやリュックの外ポケットはほぼ確実にすられ、バックを閉めていても隙があれば開けて持っていかれます。なので、電車や人混みではいつも気を張り、鞄を抱きかかえる習慣ができていたので、移動時に気を張らなくて良い、網棚の上に鞄を置いても寝ていても誰も持っていかないのはこんなにも気が休まるのかと、改めて日本の安全さを実感しました。

18.鞄で場所取りができる
これも前項と同様ですが、カフェ等で鞄で場所取りをしてから会計に行ける日本はやはり安全だと思います。例え財布だけを持って行ったとしても、パリで鞄が放置されていたらとりあえず持っていかれる可能性が高いので、鞄で場所取りは日本の安全さの表れでもあると感じました。

19.子供が一人で歩いてる
日本で久しぶりに、一人で歩いている子供を見かけて新鮮でした。フランスでは学校の送り迎えは必ず両親かナニー(保育ママ)が付いて、子供が道を一人で歩かせる事はありません。おそらく、日本の子供が一人で登下校している所を見たらフランス人はびっくりすると思います。これも、日本の安全性の表れだと感じました。

20.人にぶつかる、ぶつかっても謝らない
久々に東京の駅を歩き電車に乗ると、人がグイグイぶつかってくるので驚きます。パリでは、お店でも道でも、どんなに混んでいてもぶつかりそうだと思ったら「パードン」(ごめんなさい)と言って避けてもらうか、ぶつかってしまったら必ず「パードン」と言って謝ります。もちろん、日本の駅や道は異常に人が多いという事もありますが、どちらかと言うと気遣いの問題であると感じました。観光で来日した外国人も、ぶつかられたらかなりびっくりすると思います…

21.昼のレストランの回転率が高い
フランスはランチをゆっくり取ります。以前フランスのテレビ番組で「もしかして俺たちランチ長すぎでは?」という特集を放送していた程です。牛丼屋さんやラーメン屋さんの様な、日本では一般的なカウンターのみで構成されているお店もパリには珍しく、フランス人が日本のランチタイムを見たら、何てあっという間に終わってしまうんだろうと驚くと思います。

22.日本のレストランは誰に注文して良いかわからない
フランスのレストランは、ランチでもディナーでも基本的にはエリアごとにサービスを担当するスタッフが決まっています。逆に、担当のスタッフさん以外に話しかけると「担当の彼が来るから待ってて」と言われたりします。日本では高級レストラン以外は担当制が無いので、久しぶりに日本のレストランで誰に注文していいか分からずしばらく戸惑って様子を伺ってしまいました。きっと、初めて日本に来るフランス人も同じようにドギマギしてしまうと思います。

23.おしぼりが提供される
フランスはじめ欧州のレストランにはおしぼりを提供する習慣はありません。手を洗いたければお手洗いに行くか、持参したウェットティッシュで拭きます。日本のレストランで久々に暖かいおしぼりに触れ、何とも落ち着く、気持ちが綺麗になると感じました。これはとても良いおもてなし文化だと思います。

24.紙エプロンが提供される
おうどんを食べに行ったところ、紙エプロンが提供されました。前項のおしぼりにも通ずる“おもてなし”という側面もありますが、そもそもフランス人は麺をすすらずに、蓮華の上に乗せていただくので、汁が飛びようがなく、なぜ紙エプロンが提供されるのか理由が分からずに戸惑うか面白く感じると思います。かく言う私も久しぶりの長い手打ちうどんが上手くつかめず、上手くすすれず、食べるのに四苦八苦…食べ慣れていないと麺を食べるのは意外と大変だと気づきました。

25.レストランのBGM
日本で食事をしていて改めて気づいたことですが、パリのビストロやレストランでBGMが流れているお店はあまり有りません。バー等はアゲアゲの音楽がかかっていることもありますが、多くのビストロやレストランはBGMが無く、それでも寂しく感じることはありません。日本でBGMが当たり前な理由は分からないので、どなたか知っていたら教えてください。

26.料理を提供する時に、会話に割って入る
これも日本で食事をしていて改めて気づいたことですが、友人と会話をしていても「しつれいしまーす!」と店員さんが言って会話が中断することが良くある事に気づきました。フランスだとあまり中断されないので、おそらくタイミングを見計らって提供してくれているのだと思います。この様な気遣いも、テーブル担当制で楽しい食事時間を提供するという意識がフランスのサービス担当者にあるからかもしれません。

27.荷物用のカゴ
日本のレストランで食事をした際、テーブル席の場合は荷物を入れるための籠が準備されている事がありますが、フランスでは見た事はありません。床に直置きが一般的です。このような気遣いは日本らしいなと感じますし、観光で来日した観光客も嬉しく思う点ではないかと思いました。

28.パンの皿
意外かもしれませんが、フランスのレストランではパンを置くための皿は無く、テーブル直置きです。もちろんテーブルクロスが敷かれているお店が多いので、綺麗なテーブルクロスの上に直置きですが、日本の様に皿が用意されている事は一部の高級店以外はありません。日本の皆さんは、欧州に旅行に行ってパン皿が無くてもびっくりせずに、テーブルに直置きするのが正解です。

29.ヒールの女子が多い
日本は日常使いでヒールを履いている女子が改めて多いと感じました。日本の道が綺麗に舗装されていて歩きやすいという理由もあると思いますが、初めて来日した外国人が見ると、びっくりすると思います。
かく言う私も日本で仕事をしている時は、7cmヒール以外で外出した事がない程のヒール女子でしたが、フランスをはじめとした欧州の石畳をヒールで歩くと5分で捻挫します。良くデパートの「フランス展」のイラストで、バゲット片手にボーダーのカットソーを来てヒールで歩いている女子の絵がありますが、あの様な女子はフランスにはいません。観光で欧州行かれる方、ヒールは無用です。
ではフランスで売られているヒールは誰が履いているのでしょうか。聞いた話ですが、オフィスに行ってから履き替えたり、飲みに行く前に一度家に帰って着替えてヒールを履いてから、タクシーや彼氏の車でお店に向かうそうです。昼はほとんどヒール女子を見無いのに、夜になると良く見かけるのはこういう理由のようです。

30.レイヤード大好き女子が多い
女性の服装でもう一つ気づいた事、それはレイヤードしている女性が多いという事です。お父様達のために解説すると、レイヤードはおしゃれな重ね着の事です。フランスだと重ね着はあくまで寒いからするもので、日本のおしゃれレイヤードの定番である「シンプルニットに下着風キャミ」や「7部丈スカートにスキニージーンズ」の用な魅せるためのレイヤードスタイルをしている女性はあまりいません。フランスに比べて日本は「凝ったおしゃれ」が流行する傾向にあると感じました。


以上、一時帰国で見た良い事・不思議な事30連発でした。総じて感じた事は、「予防と気遣いの国ニッポン」だという事です。

鳴り止まないアナウンスや大量の注意書き、マスクも全て「何か起こる前の予防措置」です。凡ゆる事に予防措置を講じて、事故を未然に防ぐという行動様式は、自動車や機械の生産で経済成長してきた日本らしいと思う反面、何か事故が起きた時に当事者間ではなく電車・バス・お店などの運営会社に責任を転嫁しがちだからこそあんなに予防措置を講じざるを得無いという側面も感じました。バスに「この様な場合はベビーカーの乗車をお断りする可能性がございます、申し訳ございません」という貼紙を見つけ、起こってもいない事の可能性について予め謝罪するという、この感覚はフランスはじめ欧州にはないと感じました。フランスは良くも悪くも自己責任の国なので、責任転嫁文化とその予防の為の大量の貼紙には、少し寂しいものを感じまいた。

そして、トイレが綺麗な事や、おしぼりや紙ナプキンを提供するのは気遣いです。第一弾の記事トップ写真の「便座冷たくてすみません」が正にそれを物語っていて、そもそもフランスでは便座がない事も多いので、便座があればラッキー、日本の様な高機能のトイレは皆無なので暖かい事も経験した事がないわけです。細かいところまで気が効く、気遣いの国である事は素晴らしいのですが、それが日本では当たり前すぎて、価値に転換できない。訪日観光客にとってはおしぼりも紙ナプキンもトイレが綺麗な事も、当たり前ではない価値なわけで、その価値を上手く伝えると共に収益に転換していかないと、もったいないと感じました。


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