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離れて見ればまるく甘い幸せ

旅の最終目的地、金比羅山到着。
出発の日の朝に地元で三分咲きだった桜が、ここではすっかり花開いていて

夢の中みたいに完璧な景色

旅先で満開の桜を見るのは子供の頃以来で、自分が今タイムカプセルから出てきたような、不思議な気持ちがした。

親になってからは睡眠不足が日常化しているため、懐かしく思える風景に遭遇すると一気に私の脳は時空を彷徨う。

願わくは花の下にて春死なん、…西行の句を思い出しながら、自分の母と祖母と祖父を思い出し、

あの頃自分の周りにいた人はもうみな居ないのだなあ、と改めて離別の想いに耽ける。

(正確に言えば弟だけは生きている。けれど諸々あって今は行方を知らない。
お墓参りとお正月のときに送るLINEに既読がつくので生きてはいるはずだが、それも実際生きているのかアカウントが動いているだけなのかは不明)

700段余り、登っている時は息が切れたけど、年始に登っている観音様に比べれば合間合間に平らな道があって、易しかった。

参拝をさせていただいてから、来た道を戻りながら、おだんごと、ソフトクリームを食べた。



このトッピングのあられは【おいり】といって、結婚式の引き出物に使われる縁起の良い食べ物らしい。
看板には嫁入りソフトクリームと書いてあった。

ただただ愛らしく、こんなにまんまるくしっかりしているように見えるが、

口の中に入れるとあっけなくサクシュワ溶けおちて、アイスクリームと喧嘩しない。

結婚式にぴったりのお菓子だなぁと思った。
儚いからこそ、美しいのかもしれない。