谷町悠之介

3度目の出戻り。雑文や小説を書いていく予定です。 気が付けば広く浅くなんでも出来る系になったIT関係わんこです。 写真を撮るのと文章を書くのとThinkPadが大好きです。

死に絶えゆくブルートレインに乗った話

某月某日、私は死の淵にいた。しかしその時の記憶は全くなく、気が付いたときには親父が私の自動車を運転していた。東名高速を東京方面に走っている最中何も会話はなかった。
それから記憶がはっきりするのに数日かかり、その直後に退職手続きやらなんだかんだと忙しない日々が襲ってきて、気が付いたら秋は深まり11月になっていた。

急に社会から放逐されて暇になってしまった。退職金は出たので、年明けまでは何もしないで

もっとみる

ブレインストレージ

脳の容量は節約したいタチなので、昔のことは定期的に忘れるようにしている。ブレインストレージもただじゃない。全く……あの企業はぼったくりではないだろうか。

「一エクサバイト五九八メガエン! 今なら繰り越しも出来ます!」
 視覚情報に入ったブレインプロバイダーのしょうもない広告。あぁ、嫌だ嫌だ。忘れてしまおう。
「一ギガバイトの情報を消去しました」
 機械合成された声がそう告げる。広告ブロック機能も

もっとみる

今聴いている音楽から文章を書いてみるテスト#1

カメラを持つ手が震えたあの時のことを忘れる事なんかできやしない。それこそ一生頭に刻み込まれることになるだろう。

「私を綺麗に撮って欲しい」
クラスメイトの月嶋に告げられたのは一学期の期末試験が終わった日のことだった。僕が写真部で毒にも薬にもならない写真を撮っていたのはクラスの皆が知っていた。

曰く、何故モノクロなのか。
曰く、何故被写体がつまらないのか。
曰く、特徴が無いのか特徴。

散々な言

もっとみる