再生

承継と再生


事業承継とよくセットになる論点に「再生」があります。

平成21年に施行された金融円滑化法(これは中小企業の業績を改善するために、臨時的に融資などの条件を変更すること)の対象となった中小企業は40万社程度です。

当然ですが、後継者からすると、赤字の企業を引き継ぐのは怖いわけです。

中小企業は一般的には銀行からの借り入れがあり、その多くは経営者個人の連帯保証付きです。
つまり会社に何かあったときは、経営者が変わりに返済しないといけないわけです。

個人の借金ならばいざ知らず、会社レベルの債務を個人が保証するとなると人生が大幅に変わってしまうので、特に親族や従業員が承継する際の大きな壁となりえます。

(*この点を緩和する経営者保証ガイドライン等に関しては別コラムにて詳細を取り上げます)

また、第三者のうち、企業が承継する場合でも、赤字企業を自社の子会社にすることには株主から反対を受けたりしますので、難易度が上がります。

よって、事業承継前に負の遺産をできる限り綺麗にし、引き継ぎやすくしておくことが肝要です。

言うは易しと思われるかもしれませんが、出来ることは意外とあります。

例えば、
・金融機関に相談し既存借り入れ条件の変更を相談する(短期を長期に借り換え、金利削減)
・取引先に条件改善を相談する(単価、支払い条件、納期)
・業務マニュアルを作成し仕事の標準化を図る
・経費を分析し、無駄を削減する
・若手の育成する
・各種資料を電子化し、しっかりと整理整頓する

私も、セイワ工業を引き継いでからは次々と改善施策を行い、事業の安定化を行いました。

この辺りの詳細にご関心がありましたら、拙著をご参照頂くが、直接ご連絡をいただければ何でもお答えいたします!

会社を殺さないための「事業承継」の教科書 -最高の2代目は、いかにして完成するのか
https://www.amazon.co.jp/dp/486663054X

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?