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今井雄紀のnote

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夏休み③23年7月23日の大谷翔平

Lyft(Uberみたいなやつ。若干安い)に乗り、ロサンゼルスの西海岸から一気に内陸へ。ほんとは電車で行きたかったのだけど、ロサンゼルス国際空港からエンゼルススタジアムまでは公共交通機関で行くと2時間かかる。それが車だと45分ということで、今回はLyftに。8,000円ぐらいかかったけどがんばって気にしない。1ドル150円オーバーの円安アメリカ旅は、気にしたら負け。青ざめるのは、来月の自分でいい。 アナハイムはハリウッドから40キロぐらい離れた街で、背の高い建物はほとんどな

夏休み② 空港でつかまったところを大谷に助けられる。

ロサンゼルス国際空港の税関で見事「選抜メンバー」となり、角にある別室に連れていかれる。ハメス・ロドリゲスを彷彿とさせる気さくな男性に、荷物を総チェックされた。 カメラを指さし、仕事は何?写真家?と聴かれたので「エディター」と答える。今思い返すと「CEO」と答える手もあった気がするがそれは浮かばなかったし、海外でも意味の通る職業についてる自分がなんだか誇らしくなった。 旅行の目的を問われ「エンゼルス」と答えるとハメスは破顔し「Shohei Ohtani !」と発話した。大谷

夏休み① 羽田→ロサンゼルスへ。

夏休みで海外へ。 午前中の羽田はうわさ通りごった返していて、保安検査所の列は昔のiPhoneの発売日のように延びていた。最後尾には看板を持った警備員が立ち、最低限の英語で案内をしている。 その列に並びながら、古賀さんの新刊『さみしい夜にはペンを持て』を読む。「今の気持ちを書こうとするから書けないんだ。過去の自分を見つめて、そのときの気持ちをスケッチすればいい」といった内容のことが書かれていて、深く納得する。 深海にいるような気分で読み進めているうちに、検査所の入り口にた

達成はいつもギリギリで、おかげさまで。

学歴が高くなるほど、大学で何を学んだか、また授業で何を教わったかを覚えている人が多い。 もともとそういう人だったから高学歴になったのか、それとも偏差値の高い大学ほど授業がおもしろいからなのか。どっちでもない自分には知りようがないが、社会人を15年やってきて、あまり例外のなかった仮説だ。 逆もまた真、なのか。ぼくは大学で習ったことをほとんど覚えていない。 しかし、アホな学生だったぼくでも覚えているほど納得度が高く、また引き込まれた授業があった。「目標管理論」の初回で習った

「ダサいと思われたくない友だち」にどこで会ったか。

2012年4月。26歳だったぼくは、新卒で入って4年勤めた広告の会社を退社し、出版社に転職した。肩書きが「ディレクター」から「編集者」へと変わり、新しい仕事をはじめたその矢先、ぼくは来た道を戻るかのように、とあるご隠居がはじめた広告の私塾へ通い出した。水曜日だけ早く帰りたくて……と後出しで交渉したとき、新しい上司たちは困惑していたように思う。 これからは売り方を知ってる編集者が必要とされるからとか、同世代の志あるクリエイターたちの中から著者を探そうとか——そういった高尚な目

“レギュラー”を目指すあなたへ(主にライターとしての)

こんにちは。編集者の今井ともうします。さっそくですが、少し昔話をさせてください。 12年、熱心に野球をやったけれど小1で野球をはじめ、高3の硬式野球部引退まで12年間、野球中心の生活を送りました。頭を丸め、毎日朝晩の練習に出て、時には昼休みにも素振りをし、たまの休みは『実況パワフルプロ野球』をやり、あだち充の『H2』や、満田拓也の『MAJOR』をセリフを覚えるまで読み込み——それはそれは、夢中でした。 特に熱心になったのは高校時代です。筋肉のつきやすい身体をしていたぼくの

共存・適応・奪還

2021年の仕事が本格的にはじまった。ツドイは一応1/11までを休みにしていたので、きのうが仕事はじめなのです。みなさま、あけましておめでとうございます。 とはいえ、昨週も必要な対応はしていたし、なんならぼくは2日から出社しているのでいわゆる「新年感」はない。鏡餅も置いていないし、「タン タララララララン」の琴の音からはじまる『春の海』も鳴らしてないし、ぼくと副社長しか出社していないオフィスは静かだ。 オフィスの静けさは、緊急事態宣言を受けてリモート体制へと移行したから…

買ってよかったもの2020

今年買ってよかったもののご紹介です。家にいることが多かったので、ふだんよりモノにお金を使った1年でした。ずっと使っていきたいなと思うものにたくさん出会えたのは収穫。 Tivoli Audio 「Model One BT」ラジオBluetoothスピーカー 今年はラジオを聴くことが多く、デスクにひとつ欲しいなと思って探していたところ、久米宏さんがこれをおすすめされていて、一目惚れして買いました。権威に弱い。アプリとか起動しなくてもひねるだけでラジオが聴けます。当たり前なんだけ

矢野さんみたいになりたい

今日受け取った原稿に矢野顕子さんのうつくしい歌詞がチャーミングに引用されており、ひさびさに矢野さんの音楽を聴いた。 大学生のとき、yanokamiをきっかけに矢野顕子さんを知り、大ファンになった。ライブにも何度もいった。もちろん、ハズレだったことなど一度もない。 好きになって15年が経つが、矢野さんはずっとかっこいい。かっこよさが増していっている。 レコーディングの様子をとらえた映画も観た。信じられない緊張感だった。 新譜はいつもちゃんと「あたらしい」し。 技術はそ

自宅勤務の方が「見られてる」

Calendyという、デザインはちょとあれだけど使いやすいスケジュール調整サービスがある。自分の予定の空いてる部分をマークすると、自動的にその箇所をテキスト化してくれてたいへん便利。たとえばこんな風に。 -------------------------------------- 05月11日(月) 13:00〜15:00 05月12日(火) 11:00〜12:00 05月13日(水) 12:00〜14:30 05月15日(金) 13:30〜16:30 ----------

すごい親、ふつうの親、無知な子

「それは親がすごいね」と思う話を、たまに聞く。だいたい中学に行くぐらいまでのエピソードが多い。いきなりアメリカの寄宿舎付きの学校に放り込まれたとか、哺乳類の解体を手伝わされたとか、『13歳のハローワーク』を渡されて「ここにない仕事につけ!」と言われたとか、そういうやつだ。 ぼくが友人から聴いた「それは親すごすぎ」エピソードに、10歳の誕生日プレゼントが「こわれたパソコン」だったというのがある。エンジニアだったお父さんはそのプレゼントを手に「これを一緒に直して使えるようにして

出張は好き。でも疲れる。

行動を起こすまではめんどくさいが、やってしまえば心地よかったり、楽しかったりするものごとがある。お風呂だったり、散髪だったり、ときに飲み会だったり、そうじだってそう。 逆に、やるまでは楽しみだけど、やってみるとまあこんなもんかと思ったり、早く終わらないかなと思うものもある。ぼくにとっては、出張がそうだ。 出張が決まればうれしい。張り切っていく。現地のガイドブックなんか買うこともある。張り切って2冊買うこともある。前泊して、自腹で延泊もして、ほんとは日帰りできるところを2泊

「明日 自慢できるバカをやろう」

今日は歯医者の日だったので自転車で外出をし、ついでに好きなお店をささっとまわった。 神楽坂のかもめブックスで本を2冊買い(いいの買えた)、神保町のフォークバーガーでアボガドチーズバーガーと宇宙ブルーイングのIPAを飲み食いし(おいしかった)、蔵前のダンデライオンチョコレートでホットチョコレートを飲んだ(もちろんおいしかった)。 イスが全部片付けられていたり、注文を決めてから入店して欲しいと書かれた看板が出ていたり、ふだんとちょっとだけ違うところはあったけれど、あとはいつも

「使途不明時間」、計画を倒壊させるシロアリ

ゴールデンウィークが終わった。 4月末の時点では、読む本を決め、観る映画を決め、やるゲームを決めて意気込んでいたけど、結果的にじっくり時間をかけてたのしめたのはNetflixの『ハーフ・オブ・イット』ぐらい(これはすごくよかった!)。あとはぼーっとテトリスをやったり、何度も観たバラエティ番組をまた観たり、何をしていたとも言えないような時間を過ごしてしまった。世の中がどうとか関係なく、ぼくの連休はいつもこんな感じだ。計画通りに過ごせたことがない。 編集という、誰かに何かをお