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マンガにおける「カメラ」

昨日に続いて、カメラの話を。
マンガにもカメラワークが必要

例えば最近読んだ、漫画家巻来功士氏が
描き下ろした実録マンガ『連載終了!』。
その巻末に収録されている、巻来氏と
堀江信彦氏(巻来氏の初代担当であり、
週刊少年ジャンプ5代目編集長在任時に
歴代最高部数となる653万部を記録)との対談にも
下記のようなくだりがありました。

堀江 (中略)さっき「カメラ」って言ってたけど、色んな作家さんの作品に「カメラが何台あるか」っていうのも、うちでまた研究して全部調べさせたの。
巻来 いいですねえ。素晴らしいですね、それは。
堀江 そしたら北条君は5台くらいの据え置きのカメラに1台が手持ちのカメラだった。それも才能なんだよ。面白くない漫画は2、3台しかないんだよね。
巻来功士『連載終了! 少年ジャンプ黄金期の舞台裏』(イーストプレス)

マンガにおける「カメラ」とはつまり、
キャラクターを描く視点のことで、
アップにしたり俯瞰にしたり、
下からあおってみたり望遠でのぞいてみたりと、
漫画家さんごとに得意な角度・距離があると氏は言います。

そして、『シティーハンター』を描かれた
北条司さんのような売れる漫画家は
総じて、「持っているカメラの数が多い」と指摘しているのです。
(他にもむちゃくちゃためになる話満載なので、ものづくりに
携わっている方には、心からおすすすめしたい1冊です)

「カメラワーク」、万能。

これって、音楽にもあったりするんでしょうか。
しばらく、色んな分野の「カメラ」について
考えてみたいと思います。

■よかったら合わせてお読みください。
文章にも「カメラワーク」がある! 『嫌われる勇気』はなぜスラスラ読めるのか
(http://ji-sedai.jp/editor/blog/post_196.html)