【レポート】リアル潜入ゲームは、10年に一度の発明だ

脱出の次は潜入らしい

リアル脱出ゲームで有名なSCRAPが、このたび新しいゲームを発表しました。社長の告知はこうです。

絶対に遊んでください。
とてつもないゲームができました。

加藤隆生という人は大げさな言い回しを好む扇動者のようなところがある人なので、この投稿はまあ、いつもの加藤さんだなと思ってみていたのですが、「リアル潜入ゲーム」というネーミングには、強い興味を惹かれました。敵にバレないように基地に潜入して、機密情報盗んだり、破壊工作したりするんでしょ? そんなの絶対たのしいじゃないですか。

はじまったばかりの「リアル潜入ゲーム」に行ってきました

発売されたばかりのチケットを買い、後楽園にある会場へと向かいました。向こう2ヶ月、ここでほぼ毎日開催されるそうです。チケットは前売り2700円、当日3200円。当日券の情報は、毎日Twitterで告知されています

3人ひと組でのプレイとなりますが、何人で行っても大丈夫です。ぼくは1人で参加し、たまたま居合わせたカップルと同組になりました。3人の連携は必要ですが、名前を呼び合うことはないぐらいの距離感なので人見知りでも問題ありません。あと、リアル脱出ゲームと違って予約した時間ぴったりに行かなくてもプレイ可能なのでその点も気楽でした。18時の回なら、19時までの入場でOKです。

荷物はすべて預けることになります。ロッカー料金はチケット代に含まれているのでご安心を。また、最後にフォトスポットがありますが、ロッカーのスマホを取ってからそこまで戻ることも可能なので、本当に何も持たずに入るのをおすすめします。乱暴なたとえにはなりますが、「薄暗いところでアスレチックをやる」ぐらいの認識で服装を整えられるといいと思います。ヒール禁止(最悪、クロックスを貸してくれるそうです)ですし、スカートも向いてません。おしゃれ着もNG。詳しくは言えませんが、忍び込むときのルパンみたいな、全身タイツがいちばんプレイしやすい格好でしょう。やればわかる。

混雑状況によるでしょうが、プレイ開始まで5分〜10分の待ち時間があります。その間、エンドレスで流れている概要ムービーをみて待機です。この映像、一切みなくてもプレイに差し支えはありませんが、みてるうちにけっこうワクワクしてくるのでチェックをおすすめします。入り口の、誰でも入れるところで流れているので、受付前にゆっくりみるのもありです。

映像をみてチームの士気が上がったところで、「25番、準備はいいか!?」とキャストの人から声がかかります。キャストの入り込み方がこっぱずかしいですが、なかったらなかったでさびしいのかもしれません。先ほどとは別の、指令に直結するムービーをみて、任務に使用するタブレット端末を受け取ったらいよいよゲームスタート!

「リアル『メタルギアソリッド』」だから超たのしい

ここからは詳しく言えませんが、SCRAPの人が絶対に口にしないであろうことばで要約すると、リアル潜入ゲームは「リアル『メタルギアソリッド』」です。いいセンスなんです。ネタばれしないようにかつ、公式に情報が出ている範囲で説明すると……。

・敵兵に見つからないように進む(撃たれるとプレイ可能時間が減る)
・壁に背中をくっつけて、顔だけ出して敵兵の有無を確認して「クリア!」って言う(言わなくてもいいけど)
・ダンボールに身を隠す
・監視アンドロイドと対決する
・なんかかっこいい端末をなんかのメーターが溜まって「COMPLETE」って出るまで機械にかざしっぱなしにする

これ、全部できます。

正直言ってめちゃくちゃたのしかったです。大人のかくれんぼです。1人でこんなにたのしかったら、友だちと3人で来たらどうなっちゃうんでしょうか。「とてつもないゲームができました」は、ダテじゃありませんでした。すぐにでも再プレイしたくなる出来のよさなので、これからどんどん話題になっていくでしょう。リアル脱出ゲームに続く大ヒットになる資質は十分です。

リアル脱出ゲームは、熱狂と引き換えに「ジャンル」になった

リアル脱出ゲームのような大ヒットコンテンツは、大きなうねりをつくったのち「ジャンル」となり、まるでもとからそこにあったかのように世界に溶け込みます。

ジャンルは、ららぽーとや六本木ヒルズ、あべのハルカスといった大きなテナントビルのようなものですから、建設中はそりゃ目立ちます。「あそこも出店するらしいわよ?」なんて近所の噂になったりしながら、どんどんと立派になっていくさまをみんなで見上げて、完成をたのしみに待つのです。しかし、そんな熱狂も、建物ができあがってしまうまで。いま六本木ヒルズに行くことがイベントにならないように、安泰と熱量は、反比例してしまうものなのです。

SCRAPという会社は、この10年で「リアル脱出ゲーム」というテナントビル(=ジャンル)をつくりました。その盛り上がりたるやすさまじく、『ワンピース』や『進撃の巨人』、『名探偵コナン』に『宇宙兄弟』といった人気テナントが次々と出店。近年は、条件の厳しそうな『ポケモン』、『ゼルダ』といったハイブランドも出店していて、そりゃもう、立派なものです。

しかし、そうして「リアル脱出ゲーム」が盤石の態勢を築くにつれ、ファンも作り手も、以前のような、まるで熱病に冒されたかのような勢いは失っていったように思います。それはコンテンツの安定供給や普及とトレードオフなもので、たいへん健全で喜ばしいことでもあるのですが、やはり、一抹のさびしさがありました。

10年ぶりの超新星

リアル潜入ゲームは、そんな停滞ムードに風穴を空ける、10年に一度の新星になる可能性を秘めています。『キングダム』の麃公なら、「ここから火を起こぞぉぉ!!」とテンションを上げることでしょう。

最後になりましたが、単純なおもしろさ以上にリアル“潜入”ゲームがすばらしいは、リアル“脱出”ゲームのビジネス上の課題だった「一度しかプレイできない」、「ネタばれできないので口コミが伝わりにくい」、「頭のいい人しか気持ちよくなれない」これらすべてを解決してしまっている点にあると思います。宮本茂さんのことばに「アイデアとは、複数の問題をいっぺんに解決するものことを言う」というのがありますが、こんなに相応しい事例も珍しいんじゃないでしょうか。

現状に満足せず、むしろ否定した先でこのアイデアを手に入れ実現したSCRAPに、心から敬意を表します。ちょっとまじでかっこいい。

リアル潜入ゲーム、これからリピーターも増えてどんどんチケットが取りづらくなるでしょう。興味のある方は、お早めに!

リアル潜入ゲーム


ありがとうございます。キリンは1日20分しか眠らないそうです。
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今井雄紀

株式会社ツドイのnote

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