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お断りだ

編集とイベントという、誰かに何かをお願いすることの多い仕事をしているので、頻繁に「お断り」をいただく場面がある。頻繁というか、ほぼ毎日何か断られている。

もちろん、凹む。

どう言えば伝わるか、先方にもメリットがあるかを考え、それなりに時間をかけて依頼文をつくる。もちろんその人しかいないと思っているからお願いしている。ベターではなく、ベスト。なのに、送って数分でお断りがきたりする(NGの返事は早いほどありがたいです!)。

断り文句はさまざまだ。「露出を控えており」「日程が合わず」なんかがよくあるパターン。お気づきだと思うが、これが本当の理由かどうかはわからない。いわゆるひとつの方便(やさしさ)かもしれない。ギャラが安かったろうか、そもそもつまんなかったろうか……などと思いつつ、お返事のお礼を返す。

しかしごくまれに、正直なお気持ちそのままのお返事をいただくことがある。

「そういう話には興味がありません」
「3回読み返したけどわたしがどう貢献できるかわかりませんでした」
「今井さんの言ってることはその通りだと思うのですが、どうしても気乗りしないので断ります。ごめんなさい!」

そりゃもう、凹む。凹むけど、こういう返事をもらうと「出直してきます!」という気分になる。何より、その人のことがより好きになる。

どっちがいい悪いじゃないのだけど、「体よく断る」は技術で、「ちゃんと断る」は生き方だ。

できればぼくは、後者でいたい。

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