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今だから友だちになれる人

ここ数ヶ月、縁あって何人かの「10年前、京都で学生時代を過ごしていたときからお互い知っていたけど、話したことのなかった同い年の人」と飲むことがあった。これがまあ、たのしい。

まず、(少なくと昔ばなしをしている間は)前提条件の説明が要らない。人名も店名もイベント名もツーカーなので、深いところにスッと潜っていける。同じ経験に対して何を考え、そのとき何をしていたを言い合うだけでも2時間は盛り上がれる。

また、その勢いにのって、今の話が同じぐらいの深さでできてしまう。昔ばなしでグッと心の距離が近づくいっぽう、社会的距離みたいなものは離れているので、込み入った話もしやすいのだ。仕事とか親とか子どもとか、それぞれ普段ちかくにいる人にはしにくい話も、気兼ねなく話題にできる。これがまたたのしくて、つい2軒目、3軒目となってしまう。

酔っ払った帰り道、つい「もっと早く知り合っていればよかった」と思ってしまうけど、それはたぶんちがう。学生のときに会っていたら、どちらかが引いたり、あるいは張り合ったりしていたかもしれない。当時だったら結べなかった友情、いまだから結べる友情っていうのがあるんじゃないかと思う。

人間まるくなるのも、いいもんですね。