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「鈴木一郎」はユンケルを飲むか

今朝、マーリンズのイチロー選手が今期初めてスタメン出場し、
3打数1安打1打点をあげるという活躍をしました。

けっこう急な先発出場だったそうなのですが、
試合後当人は「僕はいつでも問題ありません。
いろんなことがあるのは経験済みで、想定の範囲内です」と、
さすがのコメントを残しています。

さすがなんですが……このさすが感は、
はたして「鈴木一郎」でも出せたのだろうかと、時おり思うのです。

 イチロー「僕はいつでも問題ありません。
 いろんなことがあるのは経験済みで、想定の範囲内です」

 鈴木「僕はいつでも問題ありません。
 いろんなことがあるのは経験済みで、想定の範囲内です」

並べるとやっぱり、「イチロー 」だなと思うわけです。
ぼくらはイチローが「鈴木一郎」のまま活躍する世界を知る術がないので、
それを知るパラレルワールドの人からは

 「いやいや、鈴木一郎は、イチローよりすごいよ。
 ユンケル飲まないけど、ヒットも263本打ってるしね」

なんて言われてしまうのかもしれないけれど。

プレイはともかく、「イチロー」と「鈴木一郎」とでは、
CMの数が全然違ったんじゃないかなとか、
「鈴木一郎」はオールスターでマウンドに上がらないよなとか、
いろいろ想像すると楽しい。

似たようなことを、ユーミンの「ひこうき雲」という曲にも思います。
この曲もやっぱり、「飛行機雲」でも、「ヒコーキ雲」でもない、
「ひこうき雲」だよなあと。
飛行機の持つ鉄の塊感も、ヒコーキのもつゆるふわ感も、
この曲には似合いません。
死を歌うはかなさと、それを紛らわすかのようなポップな曲調には、
ひらがながぴったり。

こうした文字表現のゆたかさを再確認しながら、
「日本に生まれてよかったなあ」なんて思えるようになったら、
それを大人と呼ぶのかもしれないと、
京都の定食屋「スタンド」で、瓶ビールを飲みながら思いました。

#同時日記 #飛行機