きゅうりは夏。
今朝、きゅうりのサンドイッチを作った。
思えばきゅうりを最後に切った確かな記憶がない。きゅうりは嫌いでもないけれど好きでもない。煮たり炒めたりする料理に使わないため、一人暮らしを始めてから買う野菜ではなかった。わざわざきゅうりとレタスとトマトのサラダみたいな気の利いた副菜を作る感覚は、残念ながら持ち合わせていないからだ。
数年ぶりにきゅうりをまな板の上で輪切りにした。
猫の手にした左手で、きゅうりをおさえたときに、冷蔵庫からだしたばっかりのきゅうりの冷たさに驚いた。
ひんやりしていて気持ちがいい。朝だったのでクーラーではなく窓を開けていたが、生温い風が入ってくるだけの部屋の中で、左手の下にあるきゅうりの冷たさが際立った。
そうかそうか、夏が旬のきゅうりは、ほんとうに夏に食べるためにあるのね。当たり前のことを初めて自分の身で実感した。
食パンの耳を切り落とし、バター(マーガリンでなく絶対にバターでなければいけない)を塗り、マスタードを塗り、きゅうりを敷き詰めた。
実はサンドイッチを作るなんて珍しいことをやり始めたのには、理由がある。
こんな記事を読んだからだ。きゅうりのサンドイッチ
ここに出てくるきゅうりのサンドイッチが美味しそうで美味しそうで、作ってみたくなったわけだ。
これまた久しぶりにお弁当箱にサンドイッチを詰めて、会社の冷蔵庫で冷やし、お昼に食べた。いい具合にしんなりしたきゅうりが美味しかった。わたしが知る限り、きゅうりの美味しい食べ方ランキングの一位かもしれない。
それにしても、文章に書かれている料理は、なぜこんなに魅力的に思えるんだろう。前にもnoteで同じようなことを書いた気がするが、料理を美味しくするスパイスは、空腹と同じくらい、想像力だと思う。
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