Facebookのおかげで、高校を卒業したあとでも、たいして仲良くなかった高校の元同級生の近況を知ることができる。

SNSのよびかけで、同じ高校だったというだけでまたみんなで集まったりする会が、たまに開かれる。同窓会というほどのものではない。

Facebookにアップされる、何人かがうつった写真を見て、ひねくれている私は不思議に思う。

なんでたいして仲良くなかったあの子たちが、わざわざ集まったりするんだろ。仲良くないどころか悪口言ってたよね。みんなそんなにひまなのかな、みたいな(昔から、ひねくれずにはいられない性格で、そんな自分に辟易とするけれど、性格はなかなか変わらないから、その性格を前提に良い人になろうと努力している)。

私は、馴れ合いが苦手で、ほんとうに好きな人としか一緒にいたくないという傾向がある(徐々に好きな人の幅を広げられるようにはなった)。

だから、同じ高校の同級生だから、というだけでわざわざ集まって、再会して、わざとらしく喜び合って騒ぐなんて興味ないと思い、特に仲の良い友達以外、会いたいと思わなかった。

でも、思いがけない再会があった。
私が講師としてちょっとした人数の前でお話をする機会があったのだけど、そこに話を聴きにきていたなかの一人に、高校の元同級生がいた。

全くの偶然で、たいして仲良くなかったのに、こんなところで会えたことが嬉しく、そのまま一緒にご飯を食べに行き、近況をいろいろと話した。

卒業してから、会ったのは成人式の後の同窓会くらいで、そのときも別に話したりしなかった。

でも、不思議なくらい話が弾んで、楽しかった。

彼女は、仕事についていろいろ考えるところがあるらしく、いろいろと話を聴き、私にできることがあったらなんでもするよ、という意思を伝え別れた。

なんでこんなに素直に嬉しく、楽しく話をして、この友達のために何かしたい、と思えたんだろうと、不思議に思いその理由を考えた。

きっと、お互いが、今ほんとうに必要に思っていて、行きたいと思った場所で、偶然会えたから嬉しかったんだと思う。

昔の友人と、思わぬところで共通の関心があり、同じように思っていたところを見つけられたなんて、こんな嬉しい偶然はない。

再会することが目的でなかったのに、また再会し、昔は知らなかった、友達の新しい部分を知ることができた。

初対面の気まずさはないのに、でも新しい友達に会った気持ちだった。

昔の友人や知り合い、特に昔は仲良くなることのなかったひとに、今また出会い直すのは、素敵なことだ。

昔仲良かった友達に久しぶりに会って、あれ、意外と楽しくないな、昔はあんなに仲が良かったのに、と思うこともあるけれど、その逆もあるんだと思った。

#コラム #エッセイ #ちゅうハヤ