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7月のハッシュタグ #海 20150607

 先日、防府市のお家に帰る途中で海に行きました。家人が写真に凝っているのと、遠浅の綺麗な海を見たいと云うので。彼にとって海は幼い頃から慣れ親しんだ場所です。一方、京都で育った私は海に行ったことは殆どありません。(あと、泳げません)京都からいちばん近い海として遊びにいくのは琵琶湖でした。(実はそれは海ではありません)というわけで私は海があるだけで興奮して、色々なものを砂浜で拾うので忙しくなります。貝殻も好きですが、いちばん好きなのは波によって研摩された硝子の欠片です。

 小川三郎さんの「明るい浜辺」という詩が大好きで、硝子を探して歩きながらいつもその詩を唇にのせてしまいます。

夏の日を
持ち帰るのは不道徳である。
悪い奴が持ち帰る。
悪い奴の数の分だけ
来年の夏は痩せてしまう

(「明るい浜辺」より

 小川三郎『永遠へと続く午後の直中』思潮社) 

 悪い奴が持ち帰る、と云いながら浜辺のものを拾って持ち帰ろうとするのはとても愉快です。蟹がひこひこと歩いていて、触りたいけれどそういうものには触ったことが無いので臆します。石は拾って、持ち帰る石か浜に戻す石か見定めます。遠浅の海の引き潮の時刻は広々としていました。家人の言動をから、そうか海で遊んで育った子どもは満潮や干潮の時刻を自然と心得ているのだなと、この日に気が付きました。


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