ゲームサウンドプログラマの実態

★この記事は「ゲームサウンド制作 Advent Calendar 2018」の24日目です。

はじめまして。yuranoと申します。
かれこれ13年くらい、ゲーム会社でサウンドプログラマをしておりました。
現在はサウンドディレクターとしてお仕事をしています。


実際の業務内容

サウンドプログラマ (オーディオプログラマ) については下記で詳しく紹介されていますが、実際は会社によって仕事内容がかなり異なります。

上記は (1) 自社でサウンドシステム開発を行う場合 の必要スキルであり、
(2) ミドルウェアを使う場合 はそこまで要求されないことも多いです。

(2) は、ゲームとの繋ぎ込み部分のコーディングと、
海外で「インプリメンター」と呼ばれる職種の作業を担います。
必要なのはミドルウェアのAPIと処理挙動に関するプログラム的な知識、
コンポーザやサウンドデザイナがやりたいことへの正確な理解と
それを適切な実装 (負荷・保守性・実装コスト) に落とし込むスキルです。
ミドルで使うためのVSTプラグインなどを書くこともあります。

【参考】『HALO 5: Guardians』サウンド・プロダクション・ストーリー
http://www.avidblogs.com/ja/halo-5-guardians/
 →中盤の
  「——— インプリメンターというのは、日本で言うところのサウンド・プログラマーですか?」
  の部分を御参照ください。


サウンドプログラマの経歴は?


これは私の勝手な想像ですが、
サウンドプログラマの出自はざっくり3つに分けられるように思います。

(a) ゲームプログラマ出身
(b) ゲームサウンド出身
(c) ガチの音響工学畑出身

(a) ゲームプログラマ出身
もともと普通のプログラマで、
たまたま手が空いていた (押し付けられた) or サウンドに興味があったために
サウンドを専門に担当するようになったケース。
純粋なプログラマであり、BGMやSE制作は行わない。

(b) ゲームサウンド出身
もともとコンポーザやサウンドデザイナで、
プログラマが要望を訊いてくれず痺れを切らした or
興味適性があり自らサウンド周りのコードを書くようになったケース。
BGMからプログラムまで、一人でサウンドの全てを担当可能。

(c)  ガチの音響工学畑出身
大学などで信号処理や音響工学を専門的に学んだケース。
高度な3D音響処理やDSPエフェクトなどの、特に専門性の高い分野で活躍。


サウンドプログラマになるにはどうすればいいの?

「サウンドプログラマ」を募集している会社は基本、
(1) 自社でサウンドライブラリを書いてる ので 
(c) 高度に専門的なサウンド知識が必要
 です。募集要項から見るに。

……でも! ぶっちゃけ!
そんな人、超レアですよね!? 新卒さんなら余計に!
なので、そこで挫けないでください!
(もちろん頑張って習得してもいいのよ?)

ちなみに (b) ゲームサウンド も狭き門です。募集自体が少ないので。

(a) ゲームプログラマ はどこの会社も募集しています。
そして社内にサウンド部署がある場合、サウンドの中の人たちは
「サウンド適性のありそうなプログラマが来たら捕まえよう!」
と常々思っています。※偏見含む

つまり。

「サウンドプログラマになりたいけど募集してないなー」
  → 普通のプログラマ枠で飛び込むんですよ!
「要求スキルがレベル高すぎて自分には無理だ……」
  → 足りないスキルなんか後から習得すりゃいいんです!

一番大事なのは ゲームサウンドに対する愛 です。
基本的なコーディングスキルがあって、ゲームサウンドが好きなら
何とかなります。
とりあえず一歩踏み出してみてください。

カモン!!


あ、コミュニケーション能力は (サウンドに限らず) 必須ですので
そこは標準装備でお願いしますmm

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