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メタバース点景

メタバースプラットフォーム、Clusterで活動を始めて2か月。
まだまだClusterを知り尽くしたとは到底言えませんが、Clusterについてのあれこれを、箇条書きで記してみようと思います。

●義体の入手・運用

Cluster内では「アバター」という自分の分身を使用して活動します。
人型以外に動物や無生物などもあり、サイズも様々。いつでも取り換えることができます。
デフォルトのアバターや、カスタムできるアバターも入っているので、それらを使ってもいいのですが、すぐ物足りなくなります。
自作できるのが一番。
が、私は自分で作れないので、人に作ってもらったり、アバターマーケットというイベントで、購入したりしています。

●音声・文字による複数人との意思疎通

MMORPGと呼ばれる、大人数が同時接続できるオンラインゲーム等では既に行われているかと思いますが、それらは当然、ゲームありきです。
私はゲーム音痴で機械操作がとても苦手で、オンラインでもオフラインでもデジタルゲームをすることがまずないので、未知の世界でした。
喋ったり文字を打つ以外にも、エモーションと呼ばれる効果音のついたエフェクトで感情を表すこともできます。

●催事への参加

Clusterでは毎日、何かしらのイベントが無料で開催されています。
ライブ、映画上映会、お芝居、朗読会、展示会、討論会、読書会、講習会、ゲーム会、筋トレ、ツアー、パーティ、飲み会。
現実世界にあるものは割と何でもあります。

●世界への訪問

ワールドと呼ばれる仮想空間が無数に作られていて、いつでも遊びに行くことができます。
探検したり、集まってお喋りしたり、写真を撮ったり、ゲームやデートなど特定の目的に使うこともできます。
現実には見ることができない、素晴らしい景色を眺めることができるのも、楽しみのひとつです。

●人間関係の構築

年齢、性別、職業、人種、国籍も定かではない、多数の人々と接することができます。
他のSNSと比べると、クリエイティブ寄りの才能の持ち主が集結している印象です。

●時間感覚の喪失

現実世界と並行してClusterに居ることもできるので、二重の時間を生きている感覚に陥ります。
物事の進みも、現実よりも早いです。
ある提案がされると、翌日どころか数時間後には実現していたりします。
映像記憶や読心術など、特殊な知覚機能を持つ人も多いような(これはたまたま私が接している人たちがそうなだけかも)。

●未知の感覚の予感

人間の五感のうち、今のところメタバースで使用できるのは、視覚と聴覚、デバイスと接する僅かな触覚のみ。
音声をシャットアウトすることも出来るので、そうなるとほぼ視覚頼りです。
その為か、Clusterに入り浸るようになった最初のうちは、日常的に目に違和感を感じていました。
慣れてきたのか、今はだいぶ違和感は薄まっています。

その場の「空気を読む」ということも困難です。
でも逆に、それが当たり前なので、相手の反応を現実ほどには気にせず発言できる気がします。
メタバースで長く活動しているうちに、五感では捉えきれない新たな感覚が発達してくるのではないか、と感じています。

●欲求の減退

これは私に限ってかもしれませんが、本能に根差した肉体的な欲求が、少なくなりました。
その為数年来達成できずにいた、体重の減少が起こっていて、目標体重に到達しそうです。
何より、睡眠時間が少なくても動けるのが有難い。

といっても、別に寝食を忘れてClusterに没頭している訳ではありません。
Clusterにログインしている時間は日によって違いますが、数分~数時間といった程度。
精神的な充足感がある為、肉体的欲求に意識がいかないのかなとも思いますが、もうひとつ考えられるのは、仮想空間での自己に現実の自分自身がフィードバックを受けているのかも知れない、ということです。

●仮想と現実の位相

以前の私は、仮想空間と現実の関係を、現実とイデアの関係に照応するものだと思っていました。
しかしメタバースを知るにつれ、物事はそう簡単ではないなと思うようになります。

イデア界は現実世界の上位にありますが、現実世界は物理的に使える機能は多いとはいえ、仮想空間よりも必ずしも上位の存在ではないのです。
それどころか仮想空間の方が、現実を凌駕するポテンシャルを秘めている可能性すら考えられます。

その辺りは考え始めると長くなるので、いずれまた考察できればと思います。


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ワールド制作:なまうんこ「秘密の花園」
アバター制作:たぬ@

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