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花と緑のコンシェルジュ        ~かんぼく(肝木)~

こんにちは♪ 花と緑のコンシェルジュ、和田由里です。
市場の中、卸売場を歩いていると季節の花(植物)に目が留まり、毎年毎年画像をとってしまいます。秋になるとどうしても目に留まるのが、花の業界で「実物」と呼んでいる実のついた枝物。今日のタイトルの「かんぼく」もその一つです。「かんぼく」を漢字で書くと、「肝木」で、”沖縄を除く日本各地に分布するレンプクソウ科の落葉樹、ガマズミの仲間で山林や湿気のある原野に見られる”とありました。

季節によって楽しみ方いろいろ

トップの画像は、現在、9月に出荷があったものを市場で撮ったものです。
広島では、全国高校生花いけバトル広島大会を開催しているのですが、大会本戦の時には、地元の切り枝出荷者の皆様に力を貸してもらって、開催時期の季節の切り枝をいろいろと取り揃えていただきます。
実はその中にも「肝木(カンボク)」があったんです。

7月の終わりの肝木

上の画像が、7月の終わりに全国高校生花いけバトル広島大会のために用意していただいたものです。会場に持っていく前の束ねたままの状態ですが、粒々の実がついた枝が「肝木」ですよ。まだ、実が色づいていないグリーンの若い色ですよね。

この実がつく前は、当然花が咲いていたわけです。市場内で撮った写真がないかなぁ・・・と探していました。(おかげで、投稿が一日飛んでしまいました💦 ^^; )花が咲いていた時期の画像をとっていないみたいで、見つけられませんでした。
実がたわわについているところに花がついていたわけです。見た感じは、ヤマアジサイのような感じの花が咲きます。
同じガマズミの仲間でスノーボールという種類があり、そちらの画像を掲載しておきましょう。これは白い花がまぁるく咲きますので、ヤマアジサイみたいな感じの咲き方ではないのですが。。。

白い花が、スノーボール

別名 ビバーナム

この度の全国高校生花いけバトル広島大会の時に、花材として紹介された時に、「ビバーナム コンパクター」と紹介されました。
この度お世話になった枝物の出荷者さんが、「え!?なんて言った?」と尋ねられました。地元の出荷者さんはずっと「肝木(カンボク)」と思っていたし、その品目名で出荷もされてきました。
調べてみると、どうも同じもののようなのです。
「ビバーナム コンパクター」は輸入品の中にも出荷があります。ただ、輸入品には葉っぱはついていなかった。。。なぁ。葉っぱがついた「ビバーナム コンパクター」あるいは「肝木(カンボク)」は国産ならではの季節感満載の花材です。

枝物は、季節感のある人気花材

今回は「肝木(カンボク)」を取り上げましたが、枝物は季節感が感じられるとても重宝な花材です。最近は、生産技術も上がってきて、一年を通して出荷される花もたくさんあります。四季のある日本で、年間通じてお花を咲かせて出荷するということは、それだけ生産者の技術も高いっていうことです。
でも、そうはいかない、自然の中で輝きを増す植物もたくさんあります。そんな種類を大事に、見出しているのも日本の枝物出荷者なんですよ。枝物の出荷者には、山にあるものを採ってきて出荷する方と畑で作って出荷する方がいらっしゃいます。特に、自然に山にあるものから採取する方には、生け花のある程度の知識と素敵な枝ぶりなどを見極める「目利き」が必要だと思っています。ただ、適当に採ってきているわけではないんですよ。
そんな季節の花材は市場でも人気です。特に都市では生けたお花に枝物が入るだけで、みんながその季節を感じることができますよね。

いけばなを習っていなくても、日ごろのお花の中に少し季節の枝物が入っているだけで、季節が感じられ、いっしょに生けた「花」も引き立ちますので、ぜひ、おうちの中のちょっとして花瓶にも取り入れて生けてみてください。

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