私は社長の浮気情報を何も得られないまま、しばらく奥さんは姿を現さなかった。

私はいつものように看板屋に出勤したある日。
社長の片腕のように仕事をしていた男性社員がその日は来ていなかった。

普段ほとんど休むことがなかったので珍しいなと思いながら自分の仕事をこなし帰宅。

次の日出勤すると、その日も男性社員が来てない。
病気にでもなったのかと社長に確認したら体調が悪いという理由で休んでるとの事。

そして、次の日も・・・一週間がたち社長から告げられたことに口が空かなくなるほど驚いた！

「実は女性と夜逃げしたんだよー！」
え～～！社長ではなくそっち？？！

耳を疑うような話にとても信じられなかった。
社長と同じように人に優しく親切で楽しい人だったからだ。

それに妻帯者だったし・・・男性の年齢は多分30代～４０代前半くらいだったと思う。
２０代の私には、はるかに想像を超える出来事だった。

その後ももちろん会社に来ることもなく行方知れずだったらしい。
多分未熟な頭で想像するに、お互い妻帯者どうしやむにやまれずそうしたのだろうと。
男女の関係は本人同士しかわらないものだし。

その頃から人生とは、結婚とは、生きるとは、なんて事を考え始めたのでした。

つづく