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BROCKHAMPTONはいいぞ!vol.7 Kevin Abstractがソロ2作目をリリース

こんばんは、BROCKHAMPTONヤクザのナカジです。
サマソニ用の予習記事書かなきゃな〜と思いつつできてなくてすみません。
テーマパークライターとしてやってる仕事でムーミン谷に行ったりして忙しかったんですよ(ちゃっかり宣伝)

そうこうしてる間になんと我らがBROCKHAMPTONのリーダー、Kevin Abstractがソロ・アルバム「ARIZONAbaby」をリリースしました。

最初は1曲のスニペットを発表
→3曲まとめて「Ghettobaby」というEPにして出す
→「いやこれはフルアルバムだから全曲聴いて初めて意味がわかるんだ」とか言いながら「Ghettobaby」に3曲追加して6曲入りに
→「全曲揃ったから今週出すわ」と全11曲入りの「ARIZONAbaby」を改めてリリース
という複雑な過程に、「さてはキミ作品の完成を黙っていられないタイプだな?」と思わずにはいられませんでしたが、自分でクリエイティブコントロール握って完成したら即出しというスピード感も現代っ子らしいやり方なのかもしれないですね。お陰でファンは一喜一憂させられるわけですけどね!

「ARIZONAbaby」はKevinにとって2016年の「American boyfriend」に続く2作目のソロ・アルバムです。
プロデューサーを務めているのは元Steel Train/FUN./Bleachersのジャック・アントノフ。
すっかりポップス界のヒット請負人になったジャックですが、意外にもFUN.としての所属レーベルはFall Out BoyやParamoreと同じFueled By Ramen、キャリア初期にやっていたSteel TrainはDrive-Thru Records所属のポップパンクバンドと、要するにパンク・エモ好きとしてはそりゃ好きだわって経歴の持ち主でもあります。

BROCKHAMPTONからも「Peach」にJobaとBearfaceがシンガーとして参加、さらにRomilも制作を手伝ってたようで、BHファンも必聴の内容になってます。てか「Peach」のビデオでKevin、Joba、もう一人のゲストのDominic Fikeの3人がポケットに手突っ込んで揺れてるシーン可愛過ぎるのでぜひ観てください。私はこのシーンで爆発しました。
可愛さ云々抜きにしても、DominicとBearfaceのコーラスがすごくいいので……Kevinのソロでも一度歌い出せば曲の世界観を自分のものにしてしまうBearfaceの声ってすごくないです? こういうタイプのシンガーって実はなかなかいない気がします。
ビデオの制作クレジットも、BROCKHAMPTONの制作チームですね。Kevinのソロとはいえいつもの仲間たちのバックアップ体制の元に作られたようです。

あと個人的に気になったのは4曲目の「Corpus Christi」。
曲名はKevinの出身地である米テキサス州の、海沿いにある街の名前です。
ここはちょっとしたリゾート地にもなっていて、日本で言うなら湘南とかそんな感じかな。州で一番大きい都市のヒューストンから車で3時間くらいのところにある街です。
この曲の歌詞に、元メンバーのAmeerと、現メンバーのDomの名前が出てくるんですよ。
Ameerは交際女性への虐待疑惑や未成年のファンに手を出した疑惑が元で2018年にグループを実質クビになってるんですが、Kevinは歌詞で「Ameerは俺のことを考えるだろうか」って綴っています。
Ameer脱退について他メンバーがどう考えていたのかは2018年「iridescence」リリース前に制作されたドキュメンタリー「THE LONGEST SUMMER IN AMERICA」で語られているようなのですが、日本では観られるチャンスがなかったので謎のままです(英語圏の国は劇場公開があった)。
KevinとAmeerはBH結成以前からの友人でしたから、クビにした相手とはいえ未だに心の中で彼の存在は大きいのかもしれません。

個人的に一番好きなトラックは「Georgia」です。
コーラスのメロディが誘う郷愁が一番胸に刺さりました。

ジョージアとは言いつつも、Aメロの歌い出しは「Houston, Texas」で始まります。
この曲に限らず言えることですが、BHとして活動するためにLAに引っ越したとはいえ、やっぱ故郷であるテキサスという場所が彼に与えた影響はかなり大きいんでしょうね。
BHの「iridescense」に収録されてる「San Marcos」もテキサス州の街の名前(もっと言えば初期BHの活動拠点の街)ですし。

総評としては、「American Boyfriend」がベッドルーム・ミュージックと呼ぶのに相応しい閉塞感と親密度だったのに対し、「ARIZONAbaby」はもうちょっと広い空間で鳴っている音楽、という気がします。
まだ私もアルバム3周くらいしか聴けてないので感想はこれから変わるかもしれませんが、ひとまずKevinのアルバムが出たということと、ファーストインプレッションを書き残しておきます。

ちなみにKevinはソロ作の制作を終えて次はBROCKHAMPTONの新作に取りかかるとツイッターで明言しています。

サマソニまでまだ時間は充分ありますから、サマソニ当日までに新曲、なんならニューアルバムも期待できちゃうかもしれないですね。

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