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両手を広げるくらいの暮らし方

大人になるにつれて、ぽつぽつ考えてきた暮らし方について。
 
ある島のベーグル屋さんにて、暮らし方の再確認をしました。
そのベーグル屋さんのご夫婦は、神戸で結婚、奥さんの地元であるその島にUターン。
お子さんは3人。旦那さんは編集者。奥さんはパン屋さん。
ベーグル屋さんのお商売の仕方は、家族の変化と共に更新されていきます。
はじめは、お持ち帰りのみ。お子さんの成長とともに、Caféも併設。これからは、お店の全面の空き地を使って新しい空間を作ろうとしているそうです。


とにかく、居心地のよい空間で、その場でパンを食べて、蜂蜜レモンを飲んでいると、あー、そうだった、そうだったと、自分の思い描く働き方、暮らし方のことを思い出していました。


私は20歳のころ、一人旅デビューをしました。その頃のわたしは好奇心の塊で、国内外問わず好奇心の赴くままに旅立っていました。いろんな国を転々としていても、全然平気。全然寂しくない。根無し草のよう。


むしろ生活するように旅がしたくて、2週間じゃ忙しすぎる、もっと長く!もっと長く!という気持ち。貧乏旅でしたが、刺激に満ちた時間でした。その頃に立てていた人生計画では、30歳までにお金を貯めて、長期の旅に出かけよう。死ぬまでに、世界中の知らないことを知りたい!


でも、歳を重ねるごとに求めるものは変化し、根無し草ではなく、どこかに根をはりたいと思うようになったのは、いつだったかな。いつの間にか、広く知ることへの興味は薄れ、深く知りたいと思うようになりました。


とはいっても、好奇心は消えず、名古屋-松本- 長野-千葉- 神奈川-東京と、地元の名古屋を出て、大学生、社会人と居住地は転々としています。いろんな土地を自分の日常にすることが好きみたい。

只今、30歳。

これからどんな人生を歩んでいきたいか。わたしのhomeはどんな場所にしようかな。こんなことをぽつぽつ考えていました。

わたしには、漠然といいなと思うhomeのイメージがあります。

商店街の八百屋さん。

娘、息子たちを学校に送り出し、お店を切り盛り。近所のおばちゃんが日常の話をして満足そうに去って行く。娘、息子たちが帰宅。友達と遊びに行くのもよし、たまには店番を一緒にするのもよし。今日は大根がいっぱい余っちゃったから、大根づくしねーとか笑いながらご飯を食べたい。

これは、わたしの想像上の八百屋さんの一日。いろいろと指摘されそうですが、わたしの想像が行き過ぎている点については大目にみてください。

野菜を売りたいわけではなく、この例え話から言いたいことは…。

生活と仕事をゆるやかにつなぎたい。「いってらっしゃい」と「おかえり」が言いたい。働き続けたい。どこかに根をはりたい。
そんなことを考えていたら、これは商店街の八百屋さんじゃないか!と、ひとりで納得してました。

わたしは3人兄弟で、歳の離れた弟くんと妹ちゃんがいます。下の二人が保育園に入った頃から母がパートに出るようになったため、母が遅くなるときは、小学校から帰ると、二人を保育園へ迎えに行き、ご飯を作っちゃうような長女ライフを送っていました。(おかしいな、この頃が一番しっかりしていたような…)(おかしいな、おじいちゃんがゆりちゃんは、すぐお嫁にいけるねって褒めてくれていたような…)

細い道を挟んだむかえには、草履屋さんがお商売をしていました。家の鍵を忘れたり、困ったことがあると、草履屋さんのおばちゃんとおじちゃんに相手をしてもらっていました。自分の家のほかにも頼る場所がありました。
きっと当時のわたしには、この自分の家の他にも頼る場所がある状態がとても大事だったんだともいます。将来作りたい場所はそんなところ。

家族の変化とともに働き方をマイナーチェンジ。
自分の目の前の人たちを大切にして、無理のないように、働き続ける。

人生で何を追い求めるかは、人それぞれだけど、わたしは自分の両手を広げるくらいの範囲にいる人たちが笑顔になるように働き続けたいな。

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