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手袋落としの少女

今日(昨日)練習帰りの車でちょこっと話したこと。

ゆりかはどんなことがきっかけで、
(謙虚?)に、サッカーに真剣に向き合う事になったの?みたいな話になった。
(曖昧だけどそんな感じで聞かれた気がする笑)

「私は間違いなくママにめっためたにしばかれたからだね。」

と、答えた。


しばかれることを肯定してるわけではない。笑
それぞれの家庭の形があるからね。笑


遡ること10数年
私は今も昨日のことのように覚えてる。


私は(実は?)物心つく前から母子家庭で、
若くてファンキーでプリティーなママと、
妹大好きな優しいお兄ちゃんと三人暮らし。

小学3年生からフットサルのチームに入りすぐにサッカーもやらせてもらった。

当時絶対うちにはお金がなかった。
家族三人でとてつもなく狭いアパートに住んだこともある。
そのとてつもない狭いアパートに住んでる時。

冬に、私はサッカーの時に着ける手袋を片方無くした。ピンクの可愛いやつ。

ままは夜までみっちり働いてたし、
私は歩いて体育館まで行って、練習して歩いて家に帰ってた。


帰ってきて気づいた
手袋が片方ない。

「どこにやったの?」

きかれた私は

「んーなんか無くなった!
  また買えばいいじゃん」

なんとなく言った。

その時初めてみたこともない怖い顔で怒られた。何時間も。

そこでこんなことを言う子に育ててしまった、
甘やかしていた事に気づいたらしい。
(後から聞いた話によると)
なので今までにないくらい激しく私を怒ったらしい。


今でもその光景を昨日のことのように思い出せる。


うちはお金がないことを
幼いながら気づいていた気もするし、
気づかないふりをしていた気もする。

でもサッカーができていた。
今思えば本当になんで?兄妹2人サッカーするためにどれだけ頑張ってたの?まま。

当時は当たり前だと思ってた。

サッカーができることを。

スパイクが壊れたら買ってもらえて、練習着が小さくなったら買ってもらえて。
あそこの家の子はスパイク二足持ってる。とか
新しいかっこいい練習着持ってる。とか
だから私も欲しい!なんて言ったくらいにして。

お兄ちゃんは、一切自分から言わなかったらしい。かっこいい。


トレセンに選ばれて、県外に行く時に
お金がかかってる、でも払ってもらって連れて行ってもらって当たり前と思ってた。
当たり前と思う以前に、何にも考えてなかった。
とにかく上手くなればいい。
なんて思ってたり。


手袋を無くしたことをきっかけに、
泣きながらママと話した。

まだ使えたはずの手袋を無くして、
それを買い直すほどのお金はうちにはない。
ものを大切にしない人は、
立派な大人にはなれないし、
人を大切にすることもできないよ。


感謝を忘れるな。
“当たり前“なんてこの世にはない。

どんなときも謙虚でいなさい。

と教わった。

サッカーがうまくても
そこが出来てないとだめ。

生きてく上で当たり前のような事に感じるけど
小4の私にはとても難しく感じた。

でもそこからとにかくとにかく
物を大切にした。
そしたら仲間を大切に思えた。
新しく出会う人をものすごく大切に思うことができた。
何よりママにいつもありがとう。って思った。
サッカーをさせてくれて。

幼いながら当たり前なんてないって気づいた。

美談にするわけではないし
悲劇のヒロインを演じたいわけじゃない。


そんな過去があって
そんな家庭環境だったからこそ
私の心の奥底の大事な大事な芯の部分が
構築されたのだ!と思う。

あ、でも今も忘れ物、無くしものが多い。笑
でも自分で稼いだお金で買う。
それが大変ことも分かってる。から
死ぬ気で探す。笑


その後も何かとママに怒られる時は
“ありがたい“ことを“当たり前“と
勘違いしてる時だった

今もたまに怒られるけど笑

最近怒られることといえば、
帰省してる時にあと少しで夜ご飯だよって言われてるのにこたつで寝たりする時。笑
タイミングおかしいやろ!ってくらい。笑


そんなこんなで
何を話したいか別にまとまってはないんだけど、とにかく大切にしたいものが私にはあって
芯がぶれそうになった時に、心の底の引き出しを覗くことが私には出来る。


そんな自分を誇りに思う。

そんなふうに育ててくれたママを誇りに思う。

それと同時に、心から大事にしたいと思える仲間とサッカーができてることを、
この環境を選択できたことを嬉しく思う。


何回も言うけど
当たり前なんてない。


雑に扱っていい時間なんてない。
雑に扱っていい物なんてないし、
雑に扱っていい人ももちろんいない。


わかっていても難しいから
心の引き出しにしまって、たまに覗くことが
できたらそれでいいと思う。


ついに今週関西リーグが開幕する。リーグに参戦できることも、素晴らしい環境で練習できることも、決して当たり前じゃない。

尊いことだ。


忘れないぞ。
今日のことも昨日のことも。

過去のこともすべて。


私の人生に関わってくれる皆さん
いつも本当にありがとう。


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