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映画Catsの感想

公開以降、SNS等での酷評が話題(笑)になっている映画版『キャッツ』Catsをやっと鑑賞してきました。

大きなスクリーンで見る、映像の美しさは想像していた以上でした。おそらくCGをフル活用(笑)したのだと思いますが、とにかく映像が綺麗。ロンドンの夜の街並みに、ネオンの光が映えることといったら!どのシーンもどんな風に撮影したのかしら?と思うほど、いい意味で現実離れしていました。

幼少期に劇団四季で公演されていたミュージカルを見たことはあったものの、正直あまり記憶にない…苦笑 というのも、奇抜な猫風のメークアップと激しいダンスととにかくにぎやかな音楽の印象が強烈すぎて、物語の内容はほとんど覚えていなかったんです。

今回鑑賞して、「あぁ~、こういう内容だったのね~」とやっと腑に落ちました(笑)かなりざっくり大雑把に言うと、誰もが羨む、素敵で幸福に満ちた第二の人生(猫生?)を歩めるための年に一回、すべての猫に訪れるチャンスを誰がつかむのかといったストーリー。その決め手となるのが、歌とダンス。だから、その印象しか残ってないのか(笑)納得です。

事前に一度でも本家であるミュージカルを見たことがある人にとっては、とっても満足のいく、楽しく充実した二時間だっただろうなぁと思います。が、キャッツ=猫のはなしだよね?くらいの方だったり、キャッツ初見の方にとっては、きっと?????となってしまった作品かも…。

というのも、映画のなかで繰り広げられるダンスは、昨今のミュージカル映画には珍しく、theバレエといった感じの踊りなんですよね。元々バレエが好きだったり、ミュージカル(舞台の方)を見慣れていたりだと、ほぼ抵抗なく楽しめると思うんですが…

慣れていない人にとって、猫なんだか人間なんだかよく分からない、よく言えば猫っぽい(悪く言えば…少し不気味な)キャラクターがヌメヌメとした動きで踊りまくる映像は、ある意味ホラーかも…と感じてました((;'∀')

なんとも言えない不気味さが不幸にも多くの人に拒絶反応を引き起こしてしまったのかも…。猫の外見以外は、終始わくわく&ほろりとできる、本当に素敵で夢のつまった作品だったので、わたしは見に行って良かったなぁと感じています。

やっぱり人間が動物に成りきって表現するって、どうしても不気味さが残ってしまうのかもしれないですね。『美女と野獣』のビーストくらい、まさに獣な感じを極端なまでに造ってしまえば良かったのかも。でもそうしてしまうと、ダンスができないだろうし…うーん。

猫の外見の不気味さ(笑)はひとまず置いておきましょう。劇中で歌われた『メモリー』は、テレビでも歌われることが多いので耳にして歌詞も知っているつもりだったのですが…こんなに深い内容だったのか!と、思わず号泣してしまいました。

かつての幸福感や栄光は完全に“過去の美化された思い出”となってしまった今、殺伐とした日々を何を信じ、頼って生きていけばいいのか?悪事を働いたわけでもないのに、他人(他猫)から蔑まれ、疎まれ、排除されてしまう。もう生きていくことが辛い…そう歌う老猫。

一方、飼い主から捨てられ、何ひとつ幸せな記憶をもたない子猫。どこに行けばいいのか、これからどう生きればいいのか分からない幼い猫にとっては、ほんの一時であっても“幸せな思い出”があるだけ羨ましい。この子が歌う『ビューティフル・ゴースト』にも、胸が詰まりました。

対照的のように見えるこの二匹は、実は一番近しく似た者同士なのかもしれない…と歌を聞きながら、密かに感じました。

わたしにとって、生きるとは?幸せとは?等々、“自分らしく生きる”とはどういうことなのだろうと考えさせられる作品になりました。鑑賞後に、劇中歌をもう一度聞きたくなってしまい、思わずSpotifyでOSTを聞きながら帰路につきました(笑)

思うところはいろいろあるかもですが(笑)、一度はぜひ見てもらいたい、そんなおすすめの作品です☆


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