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お礼、そして宝尽くしについても少し

 少し時間が経ってしまったけれど、SAVOIR VIVREでの「たからづくし」展、無事に終了しました。お越しくださった方々、気にかけてくださった方々、関わってくださっている全ての人に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!

 個展後すぐに、思い立ってウズベキスタンに一週間旅に出たりして、色々と書きたいことも溜まっているのだけど、まずは今回テーマにした「宝尽くし」という伝統模様について書いておきたいと思う。

今回の個展は吉祥文様をテーマに、と思っていたけど、気づけば宝尽くしばかり作っていた。これ、私の悪い癖で、のめり込むとひたすらそればかりやってしまう。それくらいにこの宝尽くしは面白い模様だったとも言える。

宝尽くしとは

吉祥文様の一つで、如意宝珠、宝鑰(ほうやく)、打ち出の小槌、金囊(きんのう)、隠れ蓑、丁字、宝巻、分銅など宝物を集め散りばめた模様。晴れ着などに多く使われている。

この「宝物」が現代では馴染みの無いものが多くて、一つ一つ意味を調べて行くとなかなか味わい深いものがあった。

例えばこれ

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「分銅」と言って、昔の両替屋が金や銀を測るときに使われていた重りの形。今だと銀行の地図記号にこの形が使われている。地図記号も面白いなぁ。ぜひ地図を観てみて欲しい。このモチーフはつまり富の象徴で、お金に困らないように、とか大切な人の豊かさを祈る文様。

こちらは有名「打ち出の小槌」

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願い事を唱えながら振ると何でも出て来る、ドラえもんの四次元ポケットのような道具。欲しい。一生ものに困らないように、とか願い事が叶いますように、とか。後は敵を打つ、という事で武将にも好まれた模様らしい。

こちらは「亀甲つなぎ」

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亀甲はその名前の通り、長寿の象徴である亀の甲羅が由来の文様。六角形は崩れない連続模様で、永遠の繁栄、幸せを願ったもの。

鶴と一緒に亀自体もモチーフにした。つるかめつるかめ・・・

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この亀の尻尾のようなものは、長生きした亀の甲羅についた海藻(藻)を表したもので「蓑亀」とも呼ばれ、古典作品にも頻繁に登場する。ものすご〜く長生きしている亀は、実際にこういう状態の甲羅になったりするらしい。

他にも色々・・

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全部をあげるとキリが無いのでとりあえずはこれくらいで。このモチーフに取り組んだお陰で、この後のウズベキスタン旅で観たスザニと呼ばれる伝統刺繍を、より身近に感じることが出来た。

装飾は祈りなんだな、と。この話はまた次回。



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