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東京五輪 40℃近い暑さ どう対処

(こちらは5月30日に共同通信社から地方紙向けに配信された「スポーツ随想」の千種担当回第3回の記事です。共同通信社からは許可を得てnoteにも配信しています。)

<当記事の掲載状況>6月3日付け河北新聞夕刊(宮城県ほか東北)8日付け神戸新聞夕刊(兵庫県)11日付け徳島新聞夕刊(徳島県)12日付け西日本新聞夕刊(福岡県ほか九州)18日付け山陰中央新報朝刊(島根、鳥取県)21日付け東奥日報夕刊(青森県)


東京オリンピックまであと1年あまり。私は一橋大学空手道部の女子監督ではありますが、本業は気象予報士。オリンピックで一番心配されている「猛暑対策」について取材してきました。

現在観客に対して予定されている対策は、入場待機列などにおけるテントや大型冷風機の設置・大会公式アプリを通じた天気予報の提供だそうです。東京の「災害級の暑さ」への対策としては、ちょっと心もとない気もします。対選手としては、マラソンと競歩の時間を早める対策をとりました。しかし他にも日中に屋外で行われる競技は、野球やラグビー、ホッケーなどたくさんあります。大会期間が二十日間もあれば、一日二日は四〇度近くまで上がる日があってもおかしくないでしょう。選手、そして観客が四〇度近い危険な猛暑の下で過ごす可能性があるわけです。

気象キャスターである私は去年の猛暑で「できるだけ屋外の活動は控えて」と呼びかけていました。来年はオリンピックが行われている裏でそんなコメントをするのもちぐはぐで、どう呼びかけたらいいのか今から困惑しています。

競技によっては開始時間を遅らせる気象条件をあらかじめ決めておく場合があります。去年の平昌五輪の際には、強風を理由にスキージャンプの時間を遅らせていましたし、サーフィンで波がない場合は予備日に行うこともあります。

今の段階で暑さを理由に延期などのルールを決めている競技はないそうですが、例えば四〇度近い暑さが予想される日は時間変更を行うなど決めておいても良いのではないでしょうか。ア

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