見出し画像

笑顔あふれる組織は強い

 子供の時、習い事を始めたきっかけは何でしたか。友達に誘われた?ドラマ?今の子供ならユーチューブかもしれませんね。私の場合はアニメでした。名探偵コナンのヒロインである「蘭姉ちゃん」に憧れて空手を始めました。私の始めた空手は蘭姉ちゃんのやっていたフルコンタクトの空手ではなく寸止めの伝統空手だったのですが、いつの間にか空手そのものにはまってしまい、稽古を十五年近く続けて三段と公認指導員資格を取りました。今は気象予報士としてテレビに出演する傍ら、母校・一橋大学空手道部女子チームの監督を務めています。


 空手を教えていると言うと、教えられるほどなんだ、すごいねと言われます。しかし空手技術を教えることよりも、いかに学生の成長を促しチームを強くするかというマネジメントの方が難しいと感じます。


 学生時代「稽古中に笑うな」と指導されたことがありました。当時の私は伝統ある武道とはそういうものなのだと信じしかめっ面で稽古していましたが、教える立場になってからその教えに疑問を持つようになりました。


 私の疑問と迷いを払拭してくれたのは空手日本代表のエース・植草歩選手でした。植草選手は試合中の笑顔が印象的な選手です。多くの人に注目されるからこそ常に笑顔でいることを心がけており、笑顔が自分の強さだと語ってくれました。その陰には恩師の「女性であるからこそキラキラと輝く綺麗な女性でいなさい」という教えがあったそうです。それが数々の大会での優勝に繋がっているのだと思います。

 殺伐とした雰囲気よりも笑顔あふれる溌剌としたチームの方が強くなる。これはスポーツだけでなくどんな組織にも言えることではないでしょうか。

千種ゆり子(ちくさ・ゆりこ)13年に気象予報士資格取得、NHK青森を経て、17年よりテレビ朝日スーパーJチャンネル(土曜)に出演中。大学1年で空手を始め、現在は一橋大学空手道部女子監督。17、18年の全国国公立大会は2年連続3位に導いた。31歳。
<掲載紙>神戸新聞 4月6日付夕刊
     河北新報 4月9日付夕刊
     徳島新聞 4月9日付夕刊
     東奥日報 4月12日夕刊
     山陰中央新報 4月13日付朝刊
     西日本新聞 4月24日付夕刊

※このコラムは、4月4日付で共同通信社から各地方紙向けに配信された「スポーツ随想」のコラムです。3カ月くらい経てば、著作権は私にあるとおっしゃって頂きましたので、掲載しています。

ちなみに直近の第四回のコラムは 神戸新聞(6月29日付け夕刊)、西日本新聞(7月 3日付夕刊)、徳島新聞(9日付夕刊)、河北新報(12日付夕刊)に掲載されていますので、ぜひお読みください☆テーマは「空手と早押しクイズ」です!!

気象予報士 千種ゆり子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?