見出し画像

「やまない雨はない」より先にその傘をくれ 〜vs名古屋〜

勝てとは言わん、とにかく勝ち点を獲ってくれと願いながら向かった札幌ドームは、強く芝の匂いが漂っていた。
浦和戦、町田戦の時よりも芝の状態は回復して美しい緑になっていた。

宮澤が中盤の王として君臨して、これぞミシャサッカーだった前半。
彼一人いるだけで、こんなにもチームが変わるということを見せつけられた。
前節何もできなくて惨敗したチームとは思えない試合運び。
何度も決定機が訪れその度に外して、正直あれ全部決まってたら前半だけで4点は取れてた。
それでもワクワクした。楽しかった。

後半PKで追いつかれて、宮澤が抜けたあたりからサッカーが変わったように見えた。
気のせいかもしれないけれど、前節までのサッカーになってしまったような…

前半途中でパトリックを下げて、わさお永井を入れた長谷川健太監督は流石だ。
そしてそのわさお永井に決勝弾を決められる、なんだその名古屋にとっての嬉しすぎる展開。こっちは一個も嬉しくないわ。

複数得点を挙げられないのであれば、虎の子の1点をなんとか守ってせめてドローで終わってほしかった。なんて後ろ向きな感情で帰路につく。

いいところもたくさんあって勝てた試合だった。
怪我から復帰した近藤くんは、思った以上に動けていた。
追いつけないだろそんなパス、っていうのに追いつけるスピードは魅力的だ。
なぜ左で使われたのかな。
馬場→コバ兄→浅野のラインは、久しぶりに右が機能しててワクワクした。
桐耶の斜めに出すロングパス、あれも精度が良くなればいい武器になるはず。

だんだん良くなってきてるけれど、他のチームはそれを上回る速度で先を走る。まだ追いつける差のうちに追いつきたい。

米津のKICK BACKの歌詞に
『「止まない雨はない」より先に その傘をくれよ』
ってあるけど、マジそう思う。
今の札幌にとっての「傘」は一体なんだろう。
だけどそれを探している間に、取り返しのつかないところまで行くのだけは勘弁してくれ。

土曜日はガンバ戦。
武蔵は出られない。
ここを勝って乗り切ったら、何か変わるかもしれない。
そう思うからまたドームに向かう。期待と希望とほんの少しの猛毒を綯い交ぜにしながら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?