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苦手なこと

苦手なことだらけだ。

料理の写真がどうにもヘタだし、インスタは続かないし、予定がなけりゃ朝だって起きられないし、自炊も大学生のころからいっこうに上手にならないし、計算も苦手だし、営業トークもできない。服のセンスもないし、ネイルはいつも素爪だし、おしゃれな美容院にいっても美容師さんとうまく話せず、なりたい髪型になれない。

そういうことを全部できるようにならないと、「人として恥ずかしい」のだと思っていた。ずっと。

苦手なことを克服することで、高みを目指せるのだと自分に言い聞かせていた。だけど最近、よく思う。

その「高み」って、いったい、どこなの?

誰にも笑われない、バカにされない完璧人間を目指して、私はいったい何になろうと言うのだろう。仮に登れたとして、その場所からの景色は私が望むものなのだろうか?



中畑貴志さんという著名なコピーライターの方が、こんな本を書いている。

『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。』

この本を初めて見かけたのは、就活中のこと。梅田のジュンク堂だった。面接に追われていた当時はとにかく「嫌われない」ことに必死で、この本のタイトルを見て背筋がひやっとした。

ああ、私のことだ、と。

誰からも嫌われないように、恥ずかしくないように、後ろ指さされないように・・・とこわばった笑顔をつくっているのは。



やっぱり今も嫌われるのはこわいし、器の小さな人間だからなるべく褒められて生きていきたいし、誰かにバカにされるのは辛い。心がへなちょこなので、Twitterで嘲笑的な反応がくるたびに半日くらい落ち込んでしまう。

それでも。

自分の凹んだところをどうにかしようと心をすり減らすよりは、得意なところ・愛せるところに大事に水をあげながら育てていくほうがきっと自分にはあっている。それを妥協とか、諦めだとは呼びたくない。


不安がいっぱいでいろいろと半泣き状態ではあるけれど、腹をくくって生きていこうと思います。


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