CX DIVE 2019 - ①

ずっとモヤモヤしていた

人のためのサービスなのに、何故「感情」を無視しているの?

Q.何故それを選ぶの?
A.好きだから。

例えばそういうシンプルなことを、何故「論理的でない」と切り捨てるの?

情熱
好き
信念
共感
喜び

数字では表しづらいけれど、人の中に絶対に存在しているものがあるのに。
あなたのことは、全て数字で表せるの?
施策や合意形成の会議や会話、仕事のあちこちで燻っていた気持ち。

きっかけ

安西 洋之さんの記事に出会い、
「突破するデザイン」(ロベルト・ベルガンティ著)を読んだこと。

誰かが誰かを思う気持ちから生まれるプロダクト。

父が子を思うように、「本当にユーザーのためになること」を考えること。

良くなって欲しいと願う
優しさ
真剣さ
考え抜く

クサイかもしれないけれど、「そうありたい」と強く思った。

そのあとから、数字で語られる反響や施策に違和感を覚えるようになった。
ユーザーを誘導し、我々が欲しい結果(CV)に如何に到達させるかを考える。

まるで「攻略」しているように感じた。

「私は、そんなふうに設計されたものを使いたくない」
というのが素直な気持ち。
それだけ。
もっと人間らしく、さ…。と思ってた。
でも言語化できなかった。

”考えない世界”

でも世の中を見てみれば、「あなたのことは知っている」と言うように
リコメンデーションがされ、リタゲされる。
そこから選ぶ、そこから何かを始める。それが普通。

ネガティブスパイラルだけど、いまそれで「勝てる」から。
だから企業もそうする。

だからユーザーは、数字で、データで語られてしまう。
分析され、分類され、当て嵌められる。

心地よいもの、UXのデザインをやりたいと思いながら、ビジネス側と話すときにはGAを開いて数字を集める。
自分にもモヤモヤしていた。

CX DIVE 2019で得たもの

私のモヤモヤにひとつの答えを明示してくれたのがCX DIVE 2019になった。
 
スピーカーからは、

・他から提供される知識を鵜呑みにし、自分で判断しない
・感性を育てる機会が奪われている
・便利すぎる
・自分のやりたいことが何なのかすらわかっていない
・思考停止に陥っている

といった指摘が飛んだ。

判断しなくていい
「自分」である必要がない
与えられた情報から選ぶ

映画監督の紀里谷和明さんからは「マーケティングの奴隷」という鋭い指摘もあった。

デジタル、デジタル、デジタル。
ネットにつなげば様々な情報があり、疑似体験させるコンテンツがあり、距離も時間もない。

でも、ライブ映像をいくら大きな画面と最新鋭の音響で観ても、
実際のライブ会場で得られるものとはまったく異質のもの。

ライブ会場の独特な匂い、
観客の熱狂した空気にじんわりかいた汗が背中を流れる瞬間、
数万人規模の会場じゅうにこだまする残響

そういったものは得られない。
実際に体験すること以上の刺激はない。

ここまでデジタルが行き渡った世界で、リアルを求めるのは、もはや本能的な飢餓感ではないか。
増え続けるライブ、フェス、舞台、イベント。
チケットが手に入らないのが普通になり、社会問題化した高額転売。
まったく誰も幸せにならない「本人確認」なんていうルール。

でも、デジタルのスピードに合わせて拡大する需要には、アナログで作り上げるリアル側の供給が間に合わないのは当然の成り行きだ、と思った。
規模や回数は増えても、基本的な設計は変わっていないと思うから。

ビジネスの設計、潜在的な欲求に気づかせてあげる仕掛け、など気づきもたくさんもらったが、
私にとって今回のCX DIVE 2019に来てモヤモヤが晴れたことが、もっとも得た気づきとなった。

デジタルの発達に対する「揺り返し」が起こっている。
楽しい気持ち
ひとの共感、熱量の強さ
結果や数字に振り回されない、自分から発信する
緩やかな、余白、無駄

人間的な感覚を大切にすることは自然なことだ。

自分に立ち返る。
自分の願望や熱意をないがしろにしない。
自分の感性を尊重する。

自分の在り方も変えていこうと思う。

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