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読んだ!宮地尚子著「傷を愛せるか」増補新版

「怒りとは、相手に対する羨望でもありうる。」


宮地尚子著「傷を愛せるか」増補新版
ちくま文庫2022


(目的)


本当に傷を愛することはできるのか。


(気づき)

・怒りとは、相手に対する羨望
・弱さを抱えたままの強さ
ヴァルネラビリティ=脆弱性=攻撃誘発性
・だれかが自分のために祈ってくれるということ
・だんだん母の悪口は尽きて、残っていたわだかまりも解けていく感じがした。


(つらつらTODO)

どうすれば傷を愛せるかと読み進めが、

傷を愛せない自分を愛する本でした。

傷ついたままだと痛いし、

あれこれ楽しむ余裕もない。

願わくば治ってほしい。

痛くない快適な状態になりたい。

こんなの嫌だと思う自分を労わるってこと。

そうか。

最近は、私が激怒するより、相手から激怒されることが多くなった。

相手の障害特性と片付けていたが、

羨望かもしれないと気付いた。

そうか。

私はいつの間に、

羨ましがられる存在になっていたのか。

気づかなかった。


怒りは、自分も相手も傷つく。

怒って傷つき、怒りを向けられて傷ついてきた。

怒鳴られることもあったけれど、

もっと陰湿な怒りもあった。

陰湿な方は後から気が付くので後味が悪い。


「弱さを抱えたまま強さ」

弱みを見せないように取り繕っているひとは、

見ればすぐに分かる。

弱さを認めれば楽になるのに。

難しい。

やさしいとは強いことだという言葉もあるが、

難しい。



「悪口」

悪口は心身に悪いという。

それでも尽きるとわだかまりも解けるのか。

そうね、うちの父親も食べ物に関しては子どもと張り合わなかったわね

とか読んでいるうちにいろいろ思い出したわ。


「傷を愛せるか」

持て余した傷の痛みの回復を誰かが祈ってくれていると思うと、

傷を愛せないでいる自分も

愛せるような気がした。




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