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忘れられないフリーターの女の子の言葉

自分は大学院出身で、学生時代はコンビニでアルバイトをしていた。
毎週研究の報告が必要なのに併せて、教授が厳しかったため、自分はあまり大学院時代は充実していなかった。

そんな中でアルバイトはちょうどいい気分転換になっていた。毎週自分は土曜の朝にバイトをしていて、いつも同じ女の子とシフトが被っていた。彼女はフリーターだった。赤髪でピアスをしていて、大学にはいないタイプの女の子だけど、話しやすい人で自分とは違った価値観とか趣味を持っていて、隙間時間に話すのは楽しかった。

ある日、いつものように適当に雑談していた時のことだった。大学院に行っているのは頭がいいし、勉強ができるんだね、と言われたのだった。それに対して、自分は、こう答えた。

「勉強は嫌いじゃないですけど、やっぱやらなきゃいけないことが沢山あったりで大変です。やめたくなる時もありますね」

正直その時は1週間に一回は「やめられるのであれば、大学院をやめたい」と思っていた。自分の言葉に彼女は、

「そうなんだ。でも、やらなきゃいけないことがあるって結構幸せなことなんだよ。」

と答えた。自分はハッとさせられた。彼女は仕事をしているけど、「やらなきゃいけないこと」のなさにつまらなさを感じていたのだろうか。考えれば「やらなきゃいけないことがある」というのは少なくとも「自分の居場所がある」ということでもあるのかもしれない。それが自分にとって辛いことであったとしても。

たくさんの「やらなきゃいけないこと」をこなして、色々大変な思いをして大学院を卒業して、今は元気に働いている。自分が幸せかどうかをたまに考える人もいると思うが、「やらなきゃいけないこと」があれば、1つ幸せな形を持っているのかもしれない。

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