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「ウラの世界」から得られる学びは多い

世の中には俗に「ウラ稼業」と呼ばれているものがいろいろある。

ドラマ『必殺仕事人』シリーズで藤田まことが演じた主人公 中村主水(なかむらもんど)のオモテの稼業は南町奉行の同心である。いまでいえば、おまわりさんみたいなものだ。そしてウラ稼業が凄腕の殺し屋ということになっている。

ウラ稼業とは「表ざたにできない性質の仕事」なのだとweblio辞書に書かれているが、そうするとスパイなども表ざたにできないのでウラ稼業といえるだろう。

こないだ米軍の機密資料が流出して騒ぎになったが、量が多いのでまだ全貌はつかめていないらしい。とはいえ、米軍人がすでに50名ほどウクライナに入っているということは書かれているそうだ。

50名という人数が多いか少ないかはともかく、おもてざたにできない任務を帯びているのだから、一種のウラ稼業にはちがいない。各兵士は命を懸けて挑んでいるはずだが、死んでもいっさい表ざたにされない損な役回りだ。

ちまたのウラ稼業

このような大げさなことでなくても、世間にはウラ稼業とよばれているものがいろいろある。

たとえば、パチプロなんかがそうで、一切税金を払っていないのでどう考えてもウラ稼業である。また、霊能者や占い師の中にも、鑑定の後で、

1万円

などといって、1万円を受け取ってそのまま財布に入れて領収書を出さないおばちゃんがいるが、あれも「税務署に知られないお金のやりとり」をしているのだからウラ稼業である。

ドラッグの密売人や売春なども、とうぜん領収書を出すわけもなく、したがって課税されることもないのでウラ稼業だ。

オモテにもかかわらずウラっぽい稼業

しかし、風俗店はどうだろう?あれは風営法に基づいてきちんと運営され税金もきちんと払っているはずなのに、それでも風俗嬢は陰の仕事のように言われてしまう。

こういうのをぼくは「ウラっぽい稼業」と呼びたい。ウラっぽい稼業は、法に触れず税金も払っているわりには、ウラ扱いされるのである。

税金をごまかしている霊能者が「先生」などと呼ばれ、税金を納めている風俗嬢がウラ扱いされるのは、ずいぶん割に合わない話だ。

SNSとお金

さて、ここ数年SNSで親しくしている人が、最近、ネットで誹謗中傷を受けてたいへんだったそうだ。詳しいことはわからないけど、騒ぎになったそもそもの原因は、お金が絡んだうわさが流れたことにあるようだ。

それを見ていて「生々しいお金の話はネットでやらない方がいいのだな」ということを学んだので、ここでも大っぴらに言うつもりはないが、ぼくも現在は、やや「ウラっぽい稼業」をやっている。

しかし、パチプロや霊能者みたいに税金を逃れられるわけではないので立派なオモテ稼業なのだが、世間のイメージでウラ扱いされているという意味では、風俗嬢並みに割に合わない。

風俗嬢がウラ扱いされるのは、額に汗して稼いでいる感じがしないからだろう。実際には「なんとかホールディングス」などといって大金を転がしている人よりもよっぽど額に汗しているはずだが、しょせんウラはウラである。

ぼくも、この稼業に手を染めたのは西暦2000年であり、その後、ずいぶん努力と工夫を重ねているのだが、しょせんウラはウラである。

ウラから得られる学びは多い

しかし、ウラ稼業から得られる学びは、大学教授から教わることよりもずっと深く、実践的で、ありがたいことばかりだ。

たぶん、風俗嬢もそうではないだろうか。大学の講義では絶対に学べないようなことをいろいろと身に染みて学んでいるのだと思うが、表ざたにはできない。

ぼくもまっとうに頑張っているわりには表ざたにできないことが多いのだが、その中から1つだけ役に立ちそうなことを書いてみたい。それは、

実践的で役に立つ知識ほどシンプルだ

ということ。

書籍で600ページも700ページもあって「古典的名著」などと称され、えらい人たちがありがたがっている本は、まわりくどいだけで役に立たたない。

一方で、実戦で鍛え上げた人の書いた文章はおどろくほどシンプルで、たった数行で読み手の人生を変える力がある。

ただし、その一行にたどりつくために著者がたどった試行錯誤のプロセス思うと、けっして「シンプル=単純」ということにはならないのだが、世の中はだいたいがこういう風になっているように思えるのだ。

本当の極意のようなものは、世間から下に見られているようなところにひっそりと潜んでいることが多い。ぼくはわりに「ウラ」的な世界を好むのだが、それが理由の1つかもしれない。

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