見出し画像

おっさんは自動的に好感を下げている

いきなりだけど、ぼくは男性中心のタテ社会になじまない人間だ。じつをいえば、かなり苦手である。

男性の先輩に初対面からにらまれることが多い。若いころからずっとそうだ。パッと見にいかついタイプなので(笑)、フツ―にしているだけでエラそうにみえるらしい。

にらまれる確率はだいたい50%で、今では、「この人には睨まれるな」というのがだいたい予想できる。だから、なるべく女性がリーダーの組織に属するようにしている。

というわけで、長年身につけた処世術がある。

どこへいっても、ムダに元気にあいさつし、道を譲る(笑)。ビジュアルでエラそーに見えるぶん、物腰でカバーである。

たとえば、病院や役所や銀行などの受付で名前を呼ばれると、みんな不景気なちいさな声で返事をするじゃないですか。なんでだろうなあ?病人は具合が悪いので仕方がないとして、他の場所で不景気な声を出していいことはひとつもない。

ぼくは、どこへいっても元気に「はい~!」である。おまえは営業マンか!というほどだ。しかし、これだけでだいぶ雰囲気はよくなるのである。

それから、道を譲る。道を歩いていても、レジでも、何の行列でもかちあったら「おさきにどうぞ」という姿勢が身に付いている。相手が男性であろうと女性であろうと、若かろうと年配だろうと関係ない。

「ハードなビジュアルゆえに身についたソフトなものごし」と言いたいところだろうけど、たぶんアメリカで身に付いたのだろう。

しかし、ゆずられた側の態度は、年齢性別によってあからさまに違う。これが今日言いたかったことです。

ぼくがおっさんに道を譲ると、ほとんどの人は「当然だ」とばかりにおうへいに前に出る。だが女性にゆずると一瞬立ち止まるか、かるく感謝の会釈をして横切る人が圧倒的に多い。

これは、日本のおっさんがふだんから、いかにエラそーにしているかということをあらわしている。ちなみに、若い人にも遠慮がちな人が多いが、これは男女関わりない。

だが、女性は、男性のおーへいなところをしっかりと見ている。

ぼくがムダに元気な返事をし、つまらない冗談を言い、道をゆずっていると、好感を持ってくれる女性は結構いる。もちろん、好意ではなくて好感ですよ。

逆にいうとおっさんは、不機嫌そうな顔で、ずかずかと歩き回りながら自動的に好感を下げていることに自分で気づいてない。もったいないというか、悲惨である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?