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謙虚さは大事だが腰が引けてはいけない

「謙虚さは大事だが、腰が引けてはいけない」というのは、いつも自分に言い聞かせていることで、1回ちゃんと言葉にしてみたかった。

これは「エライ人を正しく恐れる」ということだが「いたずらに恐れすぎない」ということでもある。

どっちの角度から書けばいいのか迷う。

スポーツに例えてみよう。
マラソンでは新人が国際大会でいきなり優勝してしまうことがある。甲子園でも初出場校がそのまま優勝することがある。いずれも経験が足りないゆえに怖さがなく、それがうまい具合に転がって頂点まで行ってしまうパターンだ。

モノを知らないので余計なおそれがない状態である。ただしこのまま頂点に居続ける人やチームを見たことがない。いずれ壁にぶつかる。

本物を知れば知るほどリスクが見えて怖さが出る。「このままでは通用しない」と考えるあまり、高校時代のようなのびのあるフォームで投げられなくなる。マラソンなら駆け引きを覚えて全力を出し切れなくなる。この状態が「モノを知って腰が引けている」状態だ。

ぼく自身はここを越えていきたいと思っているんだけど、とはいえまずモノを知らない人には「努力が足らん。もっと恐れろ」と言いたい。しかし「過剰に恐れるな」と言いたい場合もあって加減が難しい。

どの分野でもいい。きちんと努力してそこそこまで行ったことのある人なら、他人のすごさもだいたい想像できる。

トランプがいくら子供に見えても、米大統領選挙をあそこまで勝ち上がっていくのは並じゃない。すごいに決まっており、それがわかる人は「トランプが大したことない」などとは言わない。実るほどこうべをたれる稲穂かなである。

だからといって彼の政策にぜんぶうなずく必要もない。一国民でもおかしいと思ったら反対しなければならない。一寸の虫にも五分の魂というやつだ。

おそれの足らない人は勉強不足だが、過剰に謙虚な人は傷つくのを恐れている。

ぼく自身はつい傷つくのを恐れるところがある。しかし、ガードを固めるだけなら生きている甲斐がない。なので背骨に鉄の杭を通すイメージで相手の射程距離に入る。

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