見出し画像

【ご意見まとめ】ニッポンの製造業、再び輝くためには

日本経済新聞大阪経済部次長の漆間です。数々のご意見をいただき、大変ありがとうございました。パナソニックの津賀一宏社長もインタビューで「理想はハードを作らないメーカー。製品の仕様を出して誰かに作ってもらう」と発言されてますが、お寄せいただいたご意見の中でも「製造業はビジネスモデルの転換が必要」という趣旨のものが目立ちました。 

久留米大学教授の塚崎公義さんは少子高齢化に伴う労働力不足の深刻化を背景に「『国内では技術を開発し、海外の工場で生産する』という形が主流になっていく」と指摘されています。けいだいさんは、これからの製造業は「ものではなく、成果を売る。ハードや電気代や保険等はすべてサービス料金に含め、個別には請求しない」と予想され、いわゆるサブスクリプション(定額課金)モデルの比重が今後高まっていく、としています。 

魅力あるオンリーワンの商品開発の重要性を指摘するご意見もありました。吟遊詩人さんは、高級時計を例に挙げながら、「『本物』を顧客に提供する」ことで、修理や中古の需要を長期にわたり取りこむことができると指摘されています。 

海外市場への適応を訴えるご意見もありました。エストニアにお住まいのHiroki Kaminagaさんは、赤を特徴とするマツダの車を例に挙げながら「色にこだわるべき」と主張されています。「全世界統一モデルのようなものではなく、この地域のこの瞬間のように具体的であるほど、必ずその地域の文化と巡り合う」とし、自らの持ち味を生かしながら、相手の地域、文化にきめ細かく対応する大切さを提言してくださいました。 

日本の強みを生かすべきとする意見もありました。「ものづくりドットコム」さんも「日本の製造業はおもてなしのDNAが色濃く出ている」としたうえで、「無理して不得意な土俵に上ることは得策とはいえない。製造業においても必ずこれらが求められる分野があるはず」と提言してくださいました。

「ぐっさん」さんも「超高齢化社会を迎える日本が世界に先んじてサステイナブルな社会システムを定義し、構築し、世界に展開するチャンスを有している」と、日本の製造業が持つ可能性の大きさを訴えられています。 

いずれにせよ、日本の製造業がこれからも存在感を発揮し続けるためには、時代に応じて変わり続けることが不可欠のようです。私を含め、今こそ日本の製造業の底力を発揮してもらいたいと願っている人は多いと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?